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- 2011/04/14 掲載
震災と原発事故を通して見えたTwitterとキュレーションの力:○○はビジネスになるか(21)
メディアのあり方にも地殻変動
Twitterを通じて知った情報
筆者に印象深かったのは、現地入りした自衛隊員のツイートだった。短くも、優しさあふれるつぶやきで、胸が熱くなった。ほかにも、地震発生からの状況をつづった福島第二原発女子社員のブログ(その後削除)もあった。また、トイレットペーパー騒動など、膨大な情報がTwitterを通して発せられた。
これらは、以前からフォローしていたジャーナリストや言論人などのツイートを通じて知った。いずれも筆者が信頼できると思う人たちであり、震災に際してキュレーターの役割を果たしてくれた。その一人でジャーナリストの佐々木俊尚さんは、震災発生当初から国内外発のさまざまなニュース、ブログなどを紹介して、事態を多面的に分析している。毎日のツイートをまとめて、その名もズバリ「佐々木俊尚の震災キュレーション」をFacebook上で公開し続けている。
また、kaokaokaokaoことジャーナリストの福島香織さんのツイート(http://twitter.com/kaokaokaokao)からは、大震災を取材する中国人記者たちが、どう考え、何をしようとしているかがわかり、中国のメディアを理解するのに役立った。
筆者がフォローしている人の中で、最も多くの人に貴重な情報を提供しているのは、東京大学理学系研究科物理専攻長の早野龍五さん(http://twitter.com/#!/hayano)だろう。早野さんは、原発と放射能の関連情報をまとめ、グラフなどに可視化し、さらに他の専門家に呼びかけて、多角的な情報提供を続けている。フォロワーの数は15万を超える。
早野さん自身はマスコミの取材は拒否しているようで、Twitterを通してしか、人となりを知ることができないのだが、ひょうひょうとした語り口は安心感をかもしだしている。内容は少々高度なのだが、「福島第一原発1号機で3月25日ごろに再臨界になっていたとする考えについての解説」のように、質問に対しては、非常にわかりやすく答えてくれる。その活躍ぶりは、ウォールストリート・ジャーナルでも紹介された。
これらはあくまで筆者のコンテクストの中での話なので、他の人にとっても意味がある話とは限らない。ただ、こうした人たちの存在によって、Twitterの存在感が増すとともに、キュレーションの役割もまた広く知らしめられることになったことは間違いないだろう。今後、Twitterとキュレーションはセットにして語られることが多くなるのではないか。そこでTwitterを使ったキュレーションの仕組みと、これを支えるサービスについて検討したい。
【次ページ】メディアを変えるTwitter+キュレーション
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