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- 2009/09/11 掲載
【栗原潔氏インタビュー】 コスト削減のためのマイグレーション 忘れてはならないポイントとは?(2/2)
疎結合によるシステム開発で
ITに柔軟性を持たせよう
基幹システムのインタフェースのみを作り変えるなど、既存システムの使える部分を残したままで部分的にマイグレーションを進める技術が、近年多く開発されている。その背景には、企業のITシステムの作り方自体の変化があると、栗原氏は語る。「かつて、ITシステムに含まれる機能はすべて緊密に結合され、ひとつの大きなシステムとして稼働させていました。その方が高い安定性を得られるためです。しかし最近では、機能同士を疎結合させ、機能ごとに開発、実装する手法が広まっています。これなら、全体に影響することなく必要な部分だけを更新できるので、システムの柔軟な拡張や、新たな要件への俊敏な対応が可能です」
ITや企業経営に求められるスピード感を実現するための開発手法が、機能単位での開発と疎結合によるシステム構築という訳だ。この手法をマイグレーションに応用すれば、既存の基幹システムをひとつの機能単位とみなし、その周囲に必要な機能を疎結合で実装させていくことで、システム全体を作り変えることなく業務に必要なシステムへと進化させられる。足りない機能のみを開発するため、全体を作り変える場合に比べてコストや時間は大幅に低く抑えられるはずだ。
「疎結合によるシステムづくりのメリットは、導入時のスピード感だけではありません。導入後、システムに変化が求められたときにも、素早く対応できる、俊敏性の高いシステムへと生まれ変われるのです」
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