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- 2009/05/29 掲載
「生き残りをかけてBIへの期待がさらに高まっている」ガートナー堀内氏が情報活用戦略のノウハウを提言
ガートナー ビジネス・インテリジェンス&情報活用サミット2009
不況下、生き残りをかけてBIへの期待と注目度がさらに高まっている
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「情報活用シナリオ2009」と題して基調講演に立ったガートナー リサーチ バイス プレジデントの堀内秀明氏は冒頭、企業のCIOがビジネス・インテリジェンス(BI)へ寄せる期待感が引き続き高まっていることを紹介。とりわけ2008年以降、日本において急速に注目度がアップしている事実をデータで示した。
堀内氏は、BI導入の目的をビジネス・パフォーマンスの最大化に向けた情報資源活用戦略と位置づける一方で、現在の企業のBI導入における期待と現実には、いまだギャップがあると指摘する。
「社員の生産性向上や現状の見える化など既存の業務の効率化には一定の成果を挙げているが、一方で売上増加や顧客満足度の向上、新規客獲得といった、肝心のビジネスの強化・成長といった領域では思うようなパフォーマンスを得られていない。このギャップを埋めるには、『情報の確認・分析』と『施策実施評価』の両者をつなぐ、コミュニケーションとビジネス・プロセスを確立しなくてはならない。つまり『売上を増やす』のが獲得目標であるならば、そのために情報を正確に分析し、共有し、最終成果につなげていく一連のプロセス=社内の意志決定や情報共有の仕組みを構築することが必要なのだ」。
それには何よりもまず始めに、自社の情報活用の方向を明らかにすることが欠かせない。現在の状況を正確に把握し、次に目指す将来像を明確化すること。あわせて、そのための資源とするべき情報(データ)の所在把握と、効果的な提供方法の見きわめを行っていくべきだと堀内氏は主張する。
「そうした方向性を固めた上で、獲得目標に向けて選ばれた情報資源をもとに、いかにビジネス・パフォーマンスを最大化していくかを考えていくべきだ。具体的には、その実現に必要な情報活用の推進体制を確立することが要件となる。CIOのもとで情報を積極的にビジネスに活かすための、効果的かつ実効性の高いマネジメントを行っていかなくてはならない。ここでは、過去の実績をもとに近未来の予測や可能性を模索したり、ビジネス・プロセスへBIを組み込んでいく試みが求められる」。
最後に堀内氏は、今後3~4年のIT活用をベースにした変化を予測しながら、いくつかの戦略的情報活用プランニングの仮説を提言。それらの動きに向けて、「企業は情報活用推進体制を、今後もより一層強化していかなくてはならない。とくにIT部門は技術活用のリーダーとしてだけではなく、ビジネスにおける情報活用においてもリーダーシップを取れるよう目指すべきだ」と力強く結んだ。
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