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  • 【林雄司氏・シンスケ横山氏インタビュー】ネットとリアルをつなげることで生まれた新しい空間

  • 2009/02/03 掲載

【林雄司氏・シンスケ横山氏インタビュー】ネットとリアルをつなげることで生まれた新しい空間

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2007年、ニフティが運営するイベントハウス「TOKYO CULTURE CULTURE」が登場した。以降、200本以上ものイベントが開かれ、ネットとリアルをつなぐような試みがいくつも行われている。実際に始めてみて、現場ではどのような感触を得ているのだろうか? 「デイリーポータルZ」や「Webやぎの目」でおなじみの林雄司氏と、「TOKYO CULTURE CULTURE」の店長であるシンスケ横山氏に改めてお話をうかがった。

“しんどかった”1年

――「TOKYO CULTURE CULTURE」(以下、カルカル)ではスタートしてから1年間で200本以上のイベントを行ってきたわけですが、振り返ってみていかがだったでしょう?

横山氏■
ひとことで言うと、“しんどかった”ですね(笑)。ネットとリアルを結ぶというテーマで、この1年で200本以上のイベントをやってお客さんも2万人近く来場してくれたんですけど、やっぱりしんどかった(笑)。ネットで活躍している方たちにもいろいろいるんですよ。ネットで表現ができているからリアルをやらない方、別にリアルをやる理由もないという方、もしくは「リアルが苦手だからネットをやってる」という方とか。そういう方たちに「でもあえてリアルでやってみませんか?」というアプローチを僕らはしているわけで、それは当たり前なんですけどなかなか上手くはいきませんでしたね。

――イベントを仕掛ける側として、しんどかったということですか?

横山氏■
まぁ生みの苦しみですよね。当初は「ネットには星の数ほど多種多様なコミュニティがあるから、人が沢山集まっているところに声をかければお客さんがたくさん来てくれるに違いない!」なんて超甘いことを言っていたんですけど……ことごとく失敗しました(笑)。なかにはチケットが1枚も売れずに中止にしたイベントもありましたよ。イベントをお願いした人から、直前になって「仕事が入ったのでイベントをやめてもいいですか?」なんて連絡が入ったりして(笑)。ネットで活動するのとリアルでイベントをやることはぜんぜん違うんだな、ということがよくわかりました。

――ショックでした?

横山氏■
というか、10年以上イベントプロデュースをやっていて今頃それに気付いている自分のアホさが1番ショックでした(笑)。

【コラム】【林雄司氏・シンスケ横山氏インタビュー】ネットとリアルをつなげることで生まれた新しい空間
林雄司氏
林氏■みんな人前に出るのはあまり好きじゃなかったんだな、と(笑)。

――ええと、いきなり暗い話題になってしまったので話を変えましょう!前回のインタビューでは「お台場は近い」とアピールされていましたが、実際に1年間、お台場という場所でカルチャー関連のイベントを打ち続けた感想はいかがでしたでしょうか?

横山氏■
女の子のお客さんは確実に増えましたね。お台場は華のある場所なので、そういうところで「間取り図ナイト」とかやっているのはどうかと思うんですけど(笑)。そのギャップが楽しい。しんどいと言いましたが、カルカルに興味を持ってくれている人は確実に増えているので結果的にはすごくよかったと思っています。

林氏■ここならお客さんが来なくても、場所のせいだと言えますからね(笑)。でも、お台場だから来なかった、という人の話は聞いたことないです。お台場だから来ないという人は、きっと新宿や渋谷でも来ないんですよ。

――カルカルという存在は1年で浸透したと思われますか?

横山氏■
それはありますね。ネットで小さなコミュニティの人に声をかけたときも、ここ半年ぐらいは「カルチャーカルチャーですよね?よく聞きます」なんてレスポンスがあるんです。そういう声は、むちゃくちゃ勇気になりますよ。

――お客さんの年齢層はいかがでしょう?

横山氏■
20代から30代が多いかな。以前にプロデューサーとして働いていたイベントスペースのロフトプラスワンに比べると、客層は若いかもしれないですね。俺がもう普通に年寄りだからそう見えるだけかもしれないですが(笑)。 

――それは行われているイベントの変化とも関わっていますか?

横山氏■
それはあるでしょうね。今は、とにかくわかりやすいことを心掛けてイベントをするようにしています。それが必ず動員につながるかというと、そういうわけではないんですけど、誰でも知っていることをイベントにしたいという気持ちは昔から全然変わっていません。閉ざされたことはやりたくない。カルカルは「次世代イベントハウス」と銘打っていますけど、ちゃんと次世代の人たちが来ているんですよ。仕方ないですがこういう大不況の影響もあり、30歳以上の方はどうしても足も重くサイフの口も固くなってて、それは特にソフトとかライブの部分が弱い。いろんなところで不景気という声を聞きますし、驚いたのは音楽はコミュニティサイトのマイスペースがあれば十分という人もすごく増えている。「でも何か違うんだよな」、というさまざまな世代の人たちがどんどん来てくれればいいかな、と思っています。

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