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- 2025/02/13 掲載
中華AI「DeepSeek」がもたらす衝撃、「AI駆動開発が劇的進展する」と断言できるワケ
ChatGPTでプログラミングをする「意外な利点」
『#100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった』(大塚あみ著、日経BP、2025年)という書籍が発売され、話題を呼んでいる。ゲーム好きの自堕落な女子大生が「ChatGPTを使って100日間、毎日アプリを作ってSNSに投稿する」という遊びを通してプログラミングの腕を上げ、最後は国際学会で論文を発表してSEとして就職するという内容だ。この書籍の著者がプログラマーとして急成長したのは、ChatGPTが生成するプログラムのコードが不完全だからだ。1日に10時間前後もChatGPTにコードを生成させる試行錯誤を続け、効率化のためにオブジェクト指向、クラス設計、デザインパターンなどを身につけた。
生成AIは、サンプルプログラムとしてよくある短めのコードは得意だが、長くて複雑なアプリケーションを全自動で一気に作成することはまだできない。
『ソフトウェア開発にChatGPTは使えるのか?』(小野哲著、技術評論社、2023年)では、人間がテキストで書いた仕様書を元に、ChatGPTにクラス図やER図を作成させ、それを元にコードを生成させる方法が紹介されている。開発ステップを細かく分割し、各段階でChatGPTを活用することで、規模が大きく複雑な本格的なアプリケーション開発が可能だという。
AIエージェントによる自律型開発は、こういった手法を開発ツール内で自動で行えるようにした。
ChatGPTに先行していたGitHubの「AIアシスト機能」とは
今から1年2カ月ほど前、2023年11月に生成AIがプログラミングをアシストする「GitHub Copilot」の利用が一般に開放された。GitHubは、コードのバージョン管理と共同作業のためのクラウドサービスだ。世界中のプロフェッショナルからアマチュアまで多くの開発者に利用されており、2018年にマイクロソフト傘下となった。
同じくマイクロソフトが無料で提供している開発ツール「Visual Studio Code」(以下、VS Code)にGitHub Copilotを拡張機能として組み混むことでAIアシスト開発を利用できる。VS Codeは、Windows、Mac、Linuxで利用可能だ。GitHub Copilotは月額10ドルだが、現在は無料版もある。
GitHub Copilotが当初提供したのは主に3つの機能だった。
- コード補完と生成
- エラーの検出と修正
- 専門的な質問に対する回答
これは、コードエディターが元から備えている機能を拡張したものだ。
VS Codeのような高機能エディターは、プログラミング言語の文法を知っていて、ユーザーが作成しているコードから変数名や関数名を読み取り、タイプ中に次に続くコードの候補を表示する。日本語IMEの推測変換と似た仕組みだ。
GitHub Copilotはこれを超えて、後に続くコードブロック10数行を補完入力できる。コメント文で行うべき処理内容を書くと、それに沿ったコードを予想して生成することもできる。
ただし、生成されたコードは正しいとは限らない。そのままでは実行できないコードや実行できても機能を満たさないコードもある。最終的には人間が自分で仕上げることが前提だ。
また、エラー検出と修正、質問に対する回答もコード補完と同様で、あくまでも、自分でプログラムが書けるエンジニアの作業を効率化するアシストツールだった。 【次ページ】Claudeのコード生成は「GPT 4o」越えの実力?
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