- 会員限定
- 2025/02/06 掲載
アクセンチュア流「Teams×Copilot」活用術、賢く使いこなす4つの方法
連載:アクセンチュアが実践するMicrosoft Copilot活用術
Teams×Copilotで「会議中の意見の相違や議論の穴を発見」
以前の「Teams×Copilot」活用術の記事では会議の最中と後工程について紹介した。本稿で「Teams×Copilot」をさらに賢く使いこなすための4つ活用術を紹介する。長時間にわたる会議や出席者、議題の多い会議では、特定の参加者や話題の反応を確認したいことがあるだろう。そんな場面でCopilotを活用することができる。
「○○○○(特定の話題)に関する参加者の反応を教えて」というように話題について尋ねたり、「△△△△(特定の参加者)の反応を教えて」のように参加者について聞いたりすることもできる。これらを組み合わせる場合は「○○○○(特定の話題)に対して△△△△(特定の参加者)はどう反応しましたか?」と質問しよう。下の図では、「佐々木さんのアイデアに対して西島さんはどう反応しましたか?」というプロンプトを使った。
Copilotの回答を確認すると、3つの反応が取り上げられている。順に確認していくと、1つ目が佐々木さんのアイデアに対する西島さんの経理担当としての反応、2つ目が佐々木さんのデザイン案に対する西島さんの感謝を伝える反応、3つ目が佐々木さんの提案に対する西島さんの印象となっており、Copilotが指示通りに動作していることが確認できる。佐々木さんの発言やアイデアに対して西島さんが反応した場面は他にもあり、Copilotがそれを見逃している可能性は0ではないことに注意しよう。
参加者同士で意見が異なる場合もあるだろう。それをしっかり記録することは、あとから「言った、言わない」のトラブルを防ぎ、円滑に仕事を進めるために欠かせない作業だ。この作業もCopilotに手助けしてもらえる。
下の図では、「この会議で上がった議題の中でメンバー間の意見の相違がある点はどこですか?」とCopilotに尋ねた。Copilotの応答の一部を確認してみよう。箇条書きの1点目は、平尾さんと西島さんの意見の相違についてまとめている。西島さんは「英語の方が精度が高そうに見える」と話し、平尾さんは「日本語もほどほどに拾える」と述べている。この例では2人の認識について、定量的な面からもう少し掘り下げて聞く必要がありそうだ。
なお、この応答ではCopilotが「フランススクリプト」「制度」と文字起こしを間違えている。それぞれ正しくは「トランスクリプト」「精度」だ。そのままでも理解することは可能だが、人間によるチェックが必要なことを思い出させてくれる良い例だ。
ある話題についてディスカッションするとき、話し合うべき内容に漏れがあることもあるのではないか。そういった議論の穴を、会議後にCopilotに洗い出してもらう使い方もある。基本となるプロンプトの形は「<話題>に関する議論のどこに穴がありますか?」だ。
たとえば「書籍出版に関して、酒井さんの議論のどこに穴がありますか?」というプロンプトを使って、書籍出版(まさに本連載のもとになった書籍の出版のこと)に関するディスカッションの穴をまとめるとしよう。Copilotの回答を見ると、「スケジュールが厳しく、執筆者の工数が足りない可能性が高い」「Copilotを使える人が限られている」「文章を書く人への書き方やルールの周知」といったことが挙げられている。
ここから分かるように、議論の穴とはつまり、何らかの対応をする必要がある項目だ。これをCopilotにまとめてもらうことで、対応が必要な項目の抜け漏れをなくす手助けになるだろう。書籍が無事に発売されたのも、Copilotがこれらの穴を教えてくれたおかげだ。
議論の穴だけでなく、会議中の未解決の質問をCopilotに洗い出してもらうこともできる。それらに対するフォローアップの質問を考えてもらうまでの一連の流れを紹介する。
まずは「未解決の質問を洗い出してください」とCopilotに指示すると、未解決の質問の定義の確認と洗い出しをしてくれる。
次に「<トピック>ごとにフォローアップの質問を考えてください。」というプロンプトを投げかけてCopilotにフォローアップの質問を提案してもらうことで、解決のための確認事項を素早くリストアップできる。下の図は「デザイン企画、経理ごとにフォローアップの質問を考えてください。」とCopilotに指示した例だ。
もちろん、Copilotが提案したものですぐに未解決の質問が解決するわけではないが、確認事項の洗い出しやたたき台としては十分に有効だ。 【次ページ】Teams×Copilotで「会議内容をまとめてもらう」
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR