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- 2024/07/24 掲載
図解:アクセンチュア流「Microsoft Copilotの使い方」、「4つの効果とその仕組み」を解説
連載:アクセンチュアが実践するMicrosoft Copilot活用術
改めて知っておきたい生成AIのビジネスへのインパクト
2022年11月にOpenAIによりChatGPTが公開され、わずか2カ月でユーザー数が1億人を突破した。その広がりの速さも驚異的だったが、さらに驚くべきは能力の高さだ。旧シリーズのGPT-4においては、米司法試験で上位10%のスコアを獲得し、日本の医師国家試験に合格するほどの実力をもっている。特定の専門知識を保有しているだけではない。ジェネレーティブAI(生成AI)は、“コンピューターが現実世界の大量データから基本的なパターンを学習、模倣して新しいコンテンツの生成を可能にするもの”である。生成AIは、問題解決のパターンに沿って脳が思考する機能を模倣でき、解決できる問題は幅広い。
OpenAIの“GPTs are GPTs”という論文が2023年の3月に話題となった。ChatGPTで用いている事前学習済みのトランスフォーマーという生成AIモデル(GPT:Generative Pre-trained Transformer)が汎用技術(GPT:General Purpose Technology)だというのだ。人類の長い歴史の中で、“汎用技術”と呼ばれるのは図の通り30個もない。
人類は産業革命で蒸気機関という汎用技術により動力を得たが、GPTをはじめとする大規模言語モデル(Large Language ModelあるいはLLM)という汎用技術により、人類はもう1つの脳を得たといっても過言ではないだろう。
日本人の「総労働時間の44%が影響を受ける」未来
アクセンチュアが実施した「2022年日本のデータに基づく日本における労働時間への影響」調査によれば、総労働時間の44%がLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の影響を大きく受ける可能性がある。そのうち、25%が大きく自動化(automation)され、19%が大きく強化(augmentation)される。職能別に見ると、たとえば事務職(運営)への影響については、43%が大幅に自動化され、20%が大幅に高度化されると見込まれている。その他、IT部門や、財務・人事といったバックオフィスサービスについて軒並み50%を超える影響が見込まれていることから、ホワイトカラーのデスクワークに変革が起こる、と言えるだろう。
そしてOpenAIと長期的に強固なパートナーシップを築いている米マイクロソフトは、複数年にわたり数十億ドル規模を投資し、OpenAIのモデルを自社製品に組み込めるようになっている。
OpenAIの独占的クラウドベンダーとしてAzure OpenAIサービスも提供しており、このAPIは広く利用されている。このような背景から、Microsoft 365というビジネス用のアプリケーション群に、Copilotという形でOpenAIの生成AIが組み込まれたのである。
2022年11月のChatGPTの出現から約1年後の2023年11月1日、Copilotが満を持して一般提供開始となった。ホワイトカラーのデスクワーク変革を推進、実現する基盤として大きな期待が寄せられている。Copilotでどのようなことができるのか、詳細を見ていこう。
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