• 会員限定
  • 2025/01/14 掲載

「光方式」量子コンピューターで始まる「日本の逆襲」、デモ機から分かったヤバい実力

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
42
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
次世代のコンピューターとして期待されている量子コンピューター。日本でも実用化に向けた研究開発が進められているが、米グーグルやIBMの後塵を拝しているのが現状だ。そんな中、 日本が「逆転」を狙える可能性を秘めていると注目されているのが、2024年11月に理化学研究所や東京大学、NTTなどの共同研究グループが開発した光方式の量子コンピューターである。これは、従来の量子コンピューターとどう違うのか。NTT R&Dフォーラムで展示されたデモ機の取材をもとに解説する。
執筆:根岸 智幸
photo
「光方式」の量子コンピューターはどんな特徴があるのだろうか
(写真:筆者撮影)

新開発の「光方式」量子コンピューターとは?

 NTT R&Dフォーラムは、NTTグループや協力団体による最新技術や研究成果を発表するイベントだ。今年は122件の展示が行われたが、その中で、光量子コンピューターの新たな可能性を示した展示があった。

 その展示とは、理化学研究所、東京大学、科学技術振興機構(JST)、日本電信電話(NTT)、Fixstars Amplifyの共同研究グループが今年11月に発表した、量子コンピューターの新方式「汎用用型光量子計算プラットフォーム」のデモ機である。

 展示ブースで筆者の目に飛び込んできたのは、中心に置かれた一般的な光ファイバーケーブルで接続された装置だ。NTTの研究員いわく、これが光量子コンピューター向け光デバイスの展示だという。

 研究員は光ファイバーケーブルに触れ、それを動かしてみせた。すると、リアルタイムに量子状態が変化する様子がモニターに表示される。

 「実際にここ(光ファイバーケーブル)を量子の光が通っているからこそ、このような影響が出ているのです」とNTTの研究員は話す。

画像
NTT研究員が説明をしながらケーブルに触れると、その接触による量子状態の変化がモニターに映し出された
(写真:筆者撮影)

 通常、量子状態は極めて不安定で外乱に弱い。たとえば、現在最も主流となっている量子コンピューターの方式である「超伝導方式」における超伝導量子ビットは、極低温の環境が必要とされる。そのため、一般的な超伝導量子ビットは冷凍機の中に入っており、私たちが目にすることはできない。それに対して、まさに今この瞬間に量子状態がここを通っているということを、この距離で感じることができるのが、この装置の興味深い点だという。 【次ページ】グーグルやIBMを「逆転」し得るメリットとは?
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます