- 2007/10/16 掲載
自動生成で注目浴びるソフトウェア開発保守支援ツール「GeneXus」
セミナーでは、KITシステムズ、ソニー・ヒューマンキャピタルの2社が「GeneXus」を採用した導入事例を紹介した。
KITシステムズは、JFE系列企業で、鋼材特約店向け販売管理システム「Steel Manager」を開発、販売している。プログラム自動生成機能、すべての業務ルールを定義しなくても実行可能なスパイラル開発ができる点を評価し、今回、GeneXusを「Steel Manager」に採用した。KIT常務取締役開発担当の花井宏巳氏はシステム構築後の感想として、文法、構文が理解しやすく習得が容易である点、「Steel Manager」のターゲットとする案件規模に適した開発ツールであった点、Java、SQLなどのITスキル要求が少ないので、販売の業務に強いSEの早期育成が可能になる点の3つを長所に挙げた。
一方、総合人材サービス企業であるソニー・ヒューマンキャピタルは、ソニーグループの社員約3万5000人の健康情報管理システムを「GeneXus9.0」で構築した。開発工数は、一ヶ月あたり約60人で、プロジェクトに携わったSEは、5-8人。情報システム部システム企画グループ マネージャー小森谷静男氏は、GeneXusの技術の今後に期待を示しつつも、システムの構築過程で気づいた問題点「日本語のマニュアルの未整備」、「ソースの変更とモジュールが1対1で対応しておらず構成管理が弱い点」などを指摘。テクニカル面、サポート面で、ジェネクサス・ジャパン側にさらなる改善を要求した。
最後に、ジェネクサス・ジャパン マーケティング担当部長の川西誠氏は、来年4月に発表予定の「GeneXus」次期バージョン「Rocha」を紹介した。IDE(統合開発環境)の改良による高い生産性の実現、プロパティ機能の改良、IDEとアプリケーションの拡張性、開発チームの統合などが特徴となっている。
なお、今回のセミナーでは、マイクロソフトデベロッパー&プラットフォーム統括本部 デベロッパービジネス本部業務執行役員本部長市橋暢哉氏も、「Visual Studio 2008によるソフトウェア開発の新潮流」と題し講演を行った。講演では、パソコンの画面の向こう側にいるユーザーの利便性を向上させる「ユーザー体験」の重要性を強調しつつ、同社の新技術「Silverlight」、「Visual Studio 2008」を紹介した。
ちなみに、「GeneXus」の開発元であるARTechとマイクロソフトはVisual Studio Industry Partnershipを結んでいる。GeneXusの次期バージョン「Rocha」からは、Web画面の部品であるユーザーコントロールを作成できるようになる。このユーザーコントロールは、マイクロソフトが開発している「Silverlight」「Expression(Expression Blend)」や、Adobeの「Flex」で作ることができる。
関連コンテンツ
PR
PR
PR