- 2007/07/10 掲載
【Web解析2.0/連載[3]】LPO ページエレメントの最適化
株式会社マクニカ マクニカWebソリューションズ マーケティング 鈴木富士雄氏
Webサイトのランディングページやキャンペーンページ、そしてトップページ。ユーザが始めて目にするWebページのデザインは非常に重要だ。しかし、ユーザが最初に訪れるページの潜在時間は1分もない。ユーザは、すぐに次のページに移動してしまう。レポート(図1)によれば、一番人気のあるページの滞在時間は15秒以内で、45%が30秒しかページを見ていないことがわかる。
![]() |
図1:大手商社サイトの サイトカタリストレポート |
検索エンジンが発達した今の時代、ユーザにとってランディングページは「通過点」でしかない。訪れたページに、そのキーワードに沿った内容がなければ、すぐに検索エンジンに戻り、他のサイトへ離脱してしまう。ここでもう勝負は決まったも同然である。マクニカが顧客のサイトを診断する場合、まずお客様のトップページやキャンペーンページに対して、クリックマップを使い、ユーザのクリック率やコンバージョン率を測定する。
トップページにはいろいろな製品の画像を貼り付けがちだ。しかしそれがどのくらいアクセスがあるのかを把握しているマーケターやWebマスターはそう多くないのではないか。クリックマップを使うと、すべてのアクセスユーザの行動パターンを視覚化して見ることができる。クリックするとその次のページも即座にエリアを表示してくれる。小生はいくつかECサイトの構築コンサルもしてきているが、ランディングページバナーからのコンバージョン率ともなると、その差は歴然である。クリックが多いバナーが必ずしも利益を生むとはいえないのだ。
![]() |
そこで人気の高いリンク、コンバージョンの高いリンクを見やすい部分に配置する。最近はランディングページの上の部分に配置されるイメージ画像などは排除している。2006年3月に開催されたオムニチュア社のWeb解析カンファレンスでは、50%のユーザがこの「トップ画像」をスキップし、スクロールダウンして見ることが、報告されている。ユーザの滞在時間は15秒なので、Flashコンテンツを配置した場合は「Now Loading」といった読み込み時間が15秒を超えたらそれはほとんどSKIPされると思ってよい。このようなトップページのリデザインについて、米国の家具サイトの事例をご紹介しよう。
![]() |
米国の家具サイトがクリックマップで計測を開始したときに驚いたのは、上に配置されたベッドの画像よりも下の方に配置された、広告画像の方が80%もアクセスされていた事実だ。さらに検索キーワードを見ると「Platform」という言葉が多く検索されていた事に気付いたのである。しかし、サイトのカテゴリーには「Platform」という言葉はなかった。ユーザはトップページへランディングして、希望する商品を見つけられなかったという事だ。
![]() |
そこでサイトリデザインとして左のカテゴリーメニューに「Platform」を用意し、広告エリアにも「Platform」カテゴリーを追加した。再度測定してみると、見事に「Platform」のリンクは赤く染まり、バナーもクリックされていた。さらにはこの「小さな改善」で商品のコンバージョン率を2倍にも向上させたのである。
![]() |
株式会社マクニカ マクニカWebソリューションズ マーケティング 鈴木富士雄氏 |
次回はクリエイティブエレメントについてお伝えする。
関連コンテンツ
PR
PR
PR