- 2007/07/03 掲載
【第3回】検索エンジンにおける集客方法の基礎
最新!誰でもわかるサイト集客・成約率アップの成功戦略
まず、消費者の購買行動を表すフレームワークとして、一般的に“AIDMA*”が挙げられる。AIDMAは、ユーザー(お客様)の購買決定プロセスを説明するモデルの一つ。ユーザーは、まず、商品の存在を知る(Attention)。そして、商品に興味をもち(Interest)、欲しいと思う(Desire)。さらに、動機を求め(Motive)、最終的に購買行動に至る(Action)という購買決定プロセスとなる。この各フェーズの頭文字を取って“AIDMA”といわれているのだ。そして、この5つのフェーズにおいて、Attentionを認知段階、Interest、DesireおよびMotiveを感情段階、 Actionを行動段階と区別する。企業のマーケティング担当者は、各購買プロセスを分解して、ユーザーがどの段階にいるのかを見極めることで、ユーザーの状況に応じたコミュニケーション戦略をとることができる。AIDMAのプロセスは、ユーザーの購買プロセスの基本となるのである。
AIDMAとは
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しかし、インターネットにおけるマーケティングでは、このプロセスが若干変化してきている。AIDMAから“AISAS”に変化してきているのだ。AISASとは、①注意(Attention)→②関心(Interest)→③検索(Search)→④行動(Action)→⑤意見共有(Share)というモデル。最近では、ユーザーがアプローチする方法として、検索エンジンを使ってキーワードを検索することが多い。つまり、③検索から購買プロセスをスタートするユーザーが非常に多いのである。その結果、インターネットにおけるマーケティング(ウェブマーケティング)は、非常に効率のよい手法であるといわれる。
一般的なマーケティング理論としては、上記の通り、①→②→③→④→⑤の順番で成約は実現する。しかし、インターネットでの購買意思決定プロセス、特に、検索エンジン経由での購買意思決定プロセス(SEOやSEMを使ったマーケティング)では、②関心または③欲求からスタートする場合が多いので、最終的な購買行動までのハードルが少ないということになる。結果として、成約を実現する確立が高くなるのだ。
*①→②、②→③、③→④、④→⑤の、それぞれのステップに進む事にハードルがある。
*インターネットマーケティングによって、①→②または①→②→③のハードルを飛び越え、いきなり③欲求、⑤行動のステップからアプローチするという効果がある。それだけでも、非常に効果が高いことが理解できる。
前回少し触れたが、インターネットの集客方法には、いくつか方法がある。その中でも、検索エンジン経由(SEO)の成約率(購買率)は、バナー広告の5倍以上にも及ぶ。一昔前は、バナー広告がビジネスを成約させるための鉄則だったが、時代とともに集客方法は変わってきているのだ。結論としては、インターネットでビジネスをする上で、検索エンジン経由での成約というのは、一番重要視する必要がある。
検索エンジン経由(SEO)の成約率(購買率)は、バナー広告の5倍以上にも及ぶ。 |
では具体的にどのような方法で、自社のホームページにユーザーを誘導するのか?それには複数の方法を組み合わせることが必要だ。下表は、2006年、実施したアクセス誘導対策(複数回答)の結果である。
表1.インターネットで顧客を誘導する対策を実施している割合。 1位、紙メディア(49.9%) 2位、SEO(42.3%) 3位、会員登録した人へのメールマガジン(27.0%) 4位、リスティング広告(PPC広告、検索誘導型広告)(Googleアドワーズ、Overtureなど)(25.3%) 5位、他社メール媒体へのメール広告(25.1%) 出所:©Access Media/impress R&D,2006 |
上記表の中で、特に注目したいのは2位のSEOと、4位のリスティング広告だ。これらは、検索エンジン経由の集客方法であり、SEOとリスティング広告含めて、一般に「SEO/SEMによる対策」と呼ばれる。今後は、これら「SEO/SEMによる対策」による顧客の誘導・集客は必須であり、この比率は伸びていくものと考えられる。
次に、先ほどと似たランキング表を下記に提示する。前の表との違いは、前の表は「実施をした対策の順位」に対し、次の表は「効果がある対策の順位」である。下表に掲載したのは、実際に「効果がある対策」(ここでの効果とは、成約、購買、登録が成立したなど、ウェブサイトでの目的を達成した事を示す。)の順位を示している。
表2.インターネットで顧客を誘導する効果が高い対策の割合。 1位、SEO(39.5%) 2位、紙メディア(16.6%) 3位、リスティング広告(PPC広告、検索誘導型広告)(Googleアドワーズ、Overtureなど)(14.0%) 4位、他社ウェブサイトへのバナー広告(8.6%) 5位、会員登録した人へのメールマガジン(7.5%) 出所:©Access Media/impress R&D,2006 |
ここでも、注目したいのは、「SEO/SEMによる対策」、つまり、1位のSEOと、3位のリスティング広告である。これらは非常に効果的であることが良くわかる。なお、ここでいう「効果的」とは、費用(広告の為の費用)対効果(成約率)が良いという事だ。
吉川 功(よしかわ・いさお) 1996年、ソフトバンクモバイル(当時、東京デジタルホン) に入社、2G/3Gの立ち上げ業務に従事。その後、ソフトバン クBBにて、法人インターネット事業のプロジェクトマネジ メント業務を経験し、2004年マルチメディア総合研究所に 入社後、アイピーモバイルにてオールIPモバイルブロード バンドの立ち上げプロジェクトに参加。 |
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