- 2007/05/11 掲載
【徳島大学病院事例】セキュリティレベル向上、患者の待ち時間大幅短縮を実現
徳島大学病院は、医科25診療科、歯科4診療科と31中央診療施設を持つ。同病院は、大学病院で初のプライバシーマークの取得や、電子カルテの導入など、情報化に関するさまざまな取り組みを行ってきた。しかし、従来の医療システムは、部門毎にシステム構築されており、病院全体として一括した管理体制にはなっていなかった。病院が扱う個人情報は、患者の病歴などきわめて機密性が高いため、万一情報漏えいした場合、信用問題や多大な補償、そして、患者個人の人生に悪影響を与える可能性が高い。部門別のシステム構築ではセキュリティに大きな問題があったという。そこで徳島大学病院は、2003年後半から、病院全体としてセキュアな電子カルテシステムの構築に取り組み、本年1月、3外来を除いたすべての診療科で稼働を実現した。
セキュアな電子カルテシステムの導入にあたって、まずはインフラとなる高速通信基盤を整備、ネットワーク全体の再構築と組織の改編を行った。その要件として掲げたのは3つ。1つ目が、24時間365日患者の個人情報を処理できるよう稼動し続ける「見読性」。2つ目が、個人情報漏えい対策とカルテの改ざん防止のための「真正性」。3つ目がデータの安全な「保存性」だ。そして、これら全てのニーズを満たすシスコにネットワークの構築を依頼したという。
今回構築したネットワークは、コアスイッチに「Cisco Catalyst 6506」を、サーバ集約スイッチに「Cisco Catalyst 4507」を利用、ディストリビューションスイッチとして「Cisco Catalyst 4948」と「Cisco Catalyst 3750」を利用している。また、「Cisco Secure Access Control Server (ACS) for Windows」の導入により、確実な認証を行うと同時に、電子カルテを利用するペンタブレットPCにインストールした「Cisco Security Agent」と組み合わせることで、エージェントがインストールされていない端末のネットワーク接続を排除している。さらに、患者に正しい投薬を行うために使うPDA用のワイヤレス環境を実現するため、ワイヤレスアクセスポイント「Cisco Aironet」も導入した。
ネットワーク図
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徳島大学病院は、今回のネットワーク再構築後、主な利用者である医師を対象にアンケートを行った。その結果、アプリケーションの操作性やレスポンスに過半数が満足と回答する評価を得たという。また、セキュリティの改善が著しく、確実に管理・許可された端末しかネットワークに入れないため、内部からのウイルス感染にあう危険性が格段に少なくなった。さらに、診察室で入力したデータを即、調剤部門や会計部門に送ることで、診察から会計までの大幅な時間短縮を実現した。今後は、今回再構築したネットワークをさらに活用し、医師が診察に集中できる環境を整えることで、患者様にさらに役立つ高度なサービスを提供していく予定だという。
<徳島大学病院プロフィール> ・開設:1943年 ・施設:病床数710、医科25診療科、歯科4診療科と31中央診療施設 ・人間尊重の全人的医療の実践、高度先端医療の開発と推進、高い倫理観を備えた医療人の育成、地域医療および社会への貢献を目標に、地域医療とその発展に尽くす。 |
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