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- 2024/04/20 掲載
メール件名に付く「あの文字」も? 実は関係「大アリ」ラテン語とITのつながり
テクノロジーとラテン語の関係とは
みなさんはラテン語を学んだことがありますか?ほとんどの方がないと思います。日本では、欧米のように学校で習うこともなく、ラテン語という言語が古代ローマで使われはじめた言語だということさえ知らない人も多いのではないでしょうか。
たしかに、現代社会を生きる私たちにとって、古代ローマやラテン語を意識する機会というのはなかなかありません。しかしながら現代社会を象徴するようなテクノロジーの分野にも、実はラテン語由来の用語が少なからず使われています。
たとえば、少し時代は古いですが「ファックス」は「ファクシミリ」の略で、ファクシミリはラテン語で「似た物を作れ(fac simile)」という意味です。facはfacio「作る」の命令形で、facioは英語のfactory「工場」の語源になっています。
simileは英語のsimilar「似ている」や、resemble「似る、似ている」のsembleの部分、またsimulation「シミュレーション」の語源にもなっています。
ところで、人間は三つの点や線が集まった逆三角形を見つけると、つい二つの目と口、つまり顔に見立ててしまう本能があります。これは「シミュラクラ現象」と呼ばれているのですが、simulacraは「似姿」という意味のラテン語で、これもsimilisからの派生語です。
他にも「データ」という言葉もラテン語由来です。これは「与えられたものたち(data)」という意味です。
英語のdataは、辞書では「複数または単数扱い」と解説され、複数形をdata、単数形をdatumとすることが多いようです。これは元のラテン語dataが複数形だからです。
実はラテン語のメールに付く「あの文字」
指で数える時は“1、2、3”というように、整数でしか数えられません。“1.5”のような、整数と整数の間にある数字を数えることができません。指で数えるとは、離散的なのです。
返信のメールの件名にある“Re:”は、これは多くの方が勘違いされていますが、英語のreply「返信」の意味ではなく、ラテン語のin re「~に関して」の略です。実は電子メールを返信するたびに、現代人はラテン語に触れているのです。 【次ページ】無線LANの「あの用語」はラテン語だった
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