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  • 2024/04/17 掲載

なぜニッチでも「ナンバーワン」が重要か?無名企業でも「取材殺到」のPR戦術

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自社をメディアに取り上げてもらうために、「メディアが取材する理由」を作ることが必要です。そのために、自社が「○○分野の第一人者」であること、客観的に分かりやすく強みを「言語化」することが重要です。「○○と言えばこの会社」になるための基本ステップや注意点、Sansan製品のタグライン・プロダクト定義のアップデート例を紹介します。
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自社が取材される理由を徹底的に意識
(Photo/Shutterstock.com)
本記事は『小さな会社の広報大戦略』の内容を一部再構成したものです。

みんな「ナンバーワン」の話が聞きたい

 たとえば、「広告業界のナンバーワン」を目指すとなると、電通や博報堂と戦わなければなりません。しかし、まだ広く一般的ではない「◯◯分野に特化したマーケティング」で、そのなかでも「SNSデータ分析力を活かした施策に強みがある」など、分野を細かく区切ればその分野でサービスを提供するプレーヤーの数自体が減っていき自社が1番の場所が見つかるはずです。

 これは、「自社オリジナルの強みとは何か?」を徹底的に追求して伝えるということにほかなりません。
【「○○と言えばこの会社」になるための基本ステップ】
  1. 1)自社が第一人者とうたえる分野を戦略的に探す
  2. 2)その分野の第一人者として理解される情報をメディア取材、オウンドメディア、ソーシャルメディアなどで継続的に発信する
1ページ目を1分でまとめた動画
 会社が発信する(したい、できる)情報には、経営情報、商品ローンチ・アップグレード、イベントのお知らせなど、さまざまな種類があります。多くの会社は、会社の動きに合わせて必要が生じたタイミングで「商品が出ます」「イベントをします」という風に点で情報を伝えてしまいがちです。

 しかし、それでは「◯◯分野の第一人者」とは認識されません。同じ情報発信をするにしても、まず戦略的に自社が第一人者になれる分野を探して、その分野の第一人者だと理解されるように点の情報を線にしていくのです。そうすることでメディアリレーションズ業務が格段にうまくいきやすくなります。

 なぜなら、「どんなにニッチな分野でもその分野に興味を持つ人・企業・メディアは、その分野の『第一人者』(ナンバーワン)の話が聞きたい」という性質があるからです。あるニッチな領域のナンバーワンであることを訴求することで、無名の小さな会社がメディアから取材される理由を“自ら作り出す”という戦略です。

 この活動によって、顧客が獲得できたり、この分野で強みを持つ会社と提携したいと考える企業に声をかけられたり、この分野に貢献したい人材が採用できたり、この分野の動きを取材したいメディアの取材候補になることができます。

 広報活動は、自社オリジナルの強みと(ある程度の)実績がないと始められないとお伝えしましたが、最初は本当にニッチな分野で大丈夫ですし、ニッチな分野であることが普通です。自社オリジナルの強みを割り出してその価値を徹底的に訴求していきましょう。

 また、この自社オリジナルの強みを訴求するにあたって重要なのが、客観的に分かりやすく強みを「言語化」することです。
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どんなにニッチでも、オリジナルの強みや特徴を明確にすることが重要
(Photo/Shutterstock.com)

事業やサービスが複数ある企業は何を強みにすれば良い?

 ここまでの話で、「○○と言えばこの会社」を目指すことも決して不可能ではないと感じていただけたと思います。もし広報すべき商品・サービスが1つしかなければ、何を広報すれば良いかもシンプルで「○○分野」も決めやすいはずです。

 一方で、会社によってはすでに商品・サービスラインナップがそろっていたり、サービスを提供している分野が複数にまたがっているケースがあります。その場合の◯◯分野はどのように考えれば良いのでしょうか? 想定されるのは、すでにある程度の事業規模や企業の歴史はあるけれど初めて広報活動をする会社などです。

 その際にはジレンマが生じます。この場合、経営者や事業責任者の方などは「◯◯分野の第一人者」とうたうと「◯◯分野のサービスしかない会社だと思われる」からこの戦略は取らないと判断しがちです。

 メイン事業のほかにもさまざまな商品・サービスラインナップがあるなかで、1つの分野に集中した広報活動をするとその他の情報が埋もれ、事業規模が小さく見えるという懸念です。

 この懸念は必ずしも当てはまりません。情報発信の仕方次第で解決できるからです。メインとなる事業やサービスにおいて「○○分野と言えばこの会社」になるための情報発信をしつつ、その他の事業、サービスについても並行して情報発信を行っていけば良いだけなのです。 【次ページ】Sansanに学ぶ、プロダクトの強みの言語化方法
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