安川シーメンス オートメーション・ドライブ（YSAD）は、これにより従来は属人的に行っていた見積、発注から検収、請求に至るまでの調達プロセスを大幅に効率化することに成功し、また、業務プロセスの標準化と見える化により、データに基づく戦略的な調達を可能にした。

　YSADは、多くのサプライヤーと取引している。サプライヤーとの取引に使っていた従来のEDIシステムは、発注処理と納品処理のみで、それ以外のやりとりはFAXなどの紙文書で行っていたという。

　しかし、取引先ごとに調達業務プロセスは異なる上、必要書類を探したり、取引のステータスを確認するのに時間がかかり、手作業での業務処理は人為的ミスが発生する可能性も高いことから、2005年末より調達業務改革プロジェクトに着手した。

　そこでYSADは、同プロジェクトにおける新EDIシステムとして、見積から注文・納品・検収、請求・支払処理に至る一連の調達業務プロセスを総合的に管理できる機能を搭載する次世代Web-EDIシステム「BUYSELWARE」を導入した。



　 　YSADは導入した「BUTSELWARE」により、すべての業務プロセスを連携して電子的に処理することができるようになり、業務効率が飛躍的に向上した。また、調達情報をイントラネットで社内に公開したことで、営業部門や管理部門など他部門からの問い合わせも大幅に減少したという。

　新システムでは、各取引先企業は特別な設備投資をせずに、パソコンとインターネット接続環境があれば取引が可能で、Webブラウザを利用して従来と変わらずわかりやすい伝票形式で表示される。

　旧システムでは取引先にEDIシステム用のクライアントプログラムを配布しなければならず、保守作業の手間が課題だったが、Web-EDI化によって保守作業の負担は大幅に軽減した。

　「調達業務の生産性向上については、BUYSELWAREにより期待通りの成果を挙げることができました。今後システムへのデータ蓄積が進めば、戦略調達の実現にも大きな効果が見込めるでしょう。今後も、新システムを活用し、コスト削減や業務品質の向上を追求していきたいと考えています」とYSAD 管理本部 営業管理ISD部／調達ロジスティクス部 部長 塩田博氏は述べている。

　取引先用のWeb画面構成の良し悪しは業務効率に直結することから、YSADでは画面設計を重視したが、「BUYSELWARE」は業務フローや取引内容などに合わせて、Web画面をプログラミングなしで容易にレイアウト変更可能なため、非常に短期間で構築することができ、今後も継続的に改善していく計画だという。

　「BUYSELWARE」は、自社システムを保有している大手取引先からの要求にも応えられるよう、これまでのEIAJ-EDI標準に加えJEITA／ECALGAなど次世代通信手順にも対応したファイル転送機能を併用できる。

　また、仕様書や図面などの添付文書を専用ソフトなしに表示・印刷できるドキュメント管理機能や、PDF出力や手元プリンターへ直接印刷が可能な帳票印刷機能など、優れた基本機能を有していることから、将来にわたってシステムを発展させていくことが可能である。

<安川シーメンスオートメーション・ドライブ　企業プロフィール> 　設立：1999年4月 　本社：東京都江東区有明3-1 TFTビル西館9F　 　社長：羽鳥正一氏 　資本金：21億2,500万円 　従業員数：300名 　事業内容：産業用電気機械設備及びシステムの設計・製造・販売・保全