- 2007/02/22 掲載
【CIOインタビュー】 月間1億5500万PVの「@cosme」を支える情報リーダー
企業を強くする情報システムリーダーとは? 毎週木曜更新中!
アイスタイル 菅原 敬氏 |
(Kei Sugawara)
アイスタイル
取締役
1996年にアンダーセンコンサルティング(現・アクセンチュア)に入社し、1999年にアイスタイル創業に参画。
2000年にアーサー・D・リトル(ジャパン)に入社し、主にハイテク/通信企業に対する各種戦略立案のコンサルティング業務に携わる。
2004年よりアイスタイル取締役就任。
2006年9月までCIOとしてシステム企画部部長を担当。
現在は、2005年7月に設立した100%子会社であるアイスタイル・マーケティングソリューションズの代表取締役を務める。
男性にとって遠い存在だが、女性には抜群の知名度を誇るのが、アイスタイルが運営する化粧品情報専門サイト「@cosme」(アットコスメ)。同サイトは、月間訪問者は約170万人、月間ページビュー数は1億6500万PV以上(2007年1月現在)、クチコミ投稿数450万件を超える。また、クチコミと連動する形で人気化粧品を扱う通販サイト「コスメ・コム」も展開し、女性の心をがっちりとつかむ。会社としては、変化しつづける社会において、常に最適な仕組み、みんなが幸せになれる仕組み=『スタイル』を創造/発信していくことを使命としている。
アイスタイルで情報システムリーダーを務めるのが、取締役CIOの菅原敬氏だ。菅原氏は、コンサルティング会社で大手企業や外資系企業、政府機関に対するITコンサルティングを手がけていたが、1999年にアイスタイル創業に参画する。しかし、その頃はまだ企業に勤めながら、夜に手伝うという状況。その後も、別の経営戦略コンサルティング会社で本職を続けながら、2001年にアイスタイル非常勤取締役に就任し、その後2004年に常勤取締役に就任。2005年からCIO業務を開始しながら、現在は子会社のアイスタイル・マーケティングソリーションズの代表取締役でもある。
@cosmeには約12万点の商品データベースがあり、それに紐づくかたちでクチコミが蓄積されている。そして、それがほかのユーザが商品を買うときの手助けとなる。また、@cosmeは、PCだけでなく、モバイルでも公式サイトを運営している。このサイトに集まる350万件のクチコミ情報をマーケティングデータとしてまとめ、化粧品メーカーへコンサルティングサービスで提供している。ほかに、インターネット広告によるプロモーション事業や姉妹サイト「cosme.com」におけるEコマース事業を展開している。
また新規事業として、ネットで集まったクチコミを小売店の販促活動に生かす取り組みも行っている。具体的には、店内にいわゆるキオスク端末(街頭の情報端末のこと)を置き、商品のバーコードをリーダーで読みとると、該当商品のクチコミが出てきて、商品購入の参考になる仕組みである。また、2006年2月には、「@cosme美容事典」をスタート。疑問/質問に会員同士が答えあう人力検索「はてな」のように、コスメや美容に関して会員同士の知識を分かちあうサービスだ。質問/回答の内容はデータとして蓄積されるため、過去の同じような質問を参照することができる。
これらの事業の基盤となるシステム開発/運用のプロジェクトを手がけるのが菅原氏の役目だが、菅原氏自身がプロジェクトマネージャになるのではなく、全体俯瞰、優先順位の進捗、予算、クオリティの管理をする。一般のITベンダーやコンサル会社は、クライアント企業でITがわかる人たちに事務局になってもらい、ITが分かる人間同士でプロジェクトを進めるが、アイスタイルの場合、そんな簡単にはいかないと菅原氏はいう。
「アイスタイルという会社は、リサーチャーからウェブプロデューサー、小売りのスペシャリスト、Eコマースのスペシャリスト、ウェブ広告営業スタッフまで、幅広い職種の人間がいるので、システムのプロジェクトを進めるにあたっては、お互いがわかりあえる社内の基本言語が必要です。
よくある話として、要件定義(システム化にあたり、顧客のあいまいな仕様を明確にする作業)がなかなかできないというのがあります。たとえば、システム部門は『ユーザー部門が要件を言ってくれない』といい、逆にユーザ部門は『システム部門の言うことは専門的なことばかりで、自分たちは何をすればいいかわからない』と言ったりするんですね。要は、事業プロデューサーは、ウェブデザインもウェブコンセプトメイキングもできるけれど、システム要件に落とせない。逆に、システム部門も、プロジェクトマネジャとしてのスタンスが明確でないと、ユーザー部門を引っ張っていくことができない、という課題がありました。
そこで、作ったのが共通言語としてのメソドロジーです。システム開発のプロジェクトはそのメソドロジーの上にのせて、そこで定義されたステップをそれぞれ役割分担として明確にわけ、事前にしておいたアウトプットに対応づけて、システムに落としこむということをやりました。それにあたっては、もともとプログラマの集まりだった「システム室」を、「システム企画部」という名称に変え、SEもプログラマも、全員がプロジェクトマネージャの視点で考えましょうというように改革しました。要は、ユーザー側の依頼に基づいて、社内下請けとしてシステム開発/運用を行う、という受け身の組織からの脱皮です。」
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