- 2007/01/29 掲載
【連載】今さら聞けない「エンタープライズ2.0」 / 第1回(2/3)
まず企業に今のような形のパソコンが導入されたのは、Windows95が発売されたもう10年以上前になる。当時は筆記用具の延長線としてパソコンが使われていた。今まで紙に向かって、鉛筆やボールペンを動かしていたのが、キーボードに向かいWordやExcel、PowerPointといったアプリケーションに対して文字を書いていった。ファイルの再利用が可能になったことにより、書類作成の効率は格段に上がった。
次に社内ネットワーク、社外ネットワーク、インターネットとつながることによって、パソコンはコミュニケーションツールへと変貌していった。Eメールによってファイルを送ったり、ファイルサーバーを利用して大量のデータをやりとりしたりすることもできるようになった。またNotesや、サイボウズのようなツールを使ってスケジュールを確認したり、ワークフローを電子化し、ビジネスのスピードを向上させたりということも行われた。
しかしパソコンがコミュニケーションツールとして進化を遂げた今、膨大な量の情報にアクセスできるようになったために、問題が起こってきた。毎日100通近く届くメール、混沌としてどこに何があるのかさっぱりわからないファイルサーバー、乱立するNotesのデータベース。
Enterprise1.0の世界で起こっている問題のひとつは、あきらかに情報の洪水である。ここに、Enterprise2.0のヒントがあるのではないだろうか。
膨大な情報のなかから自分に必要な情報を探してくれる優秀な秘書のようなイメージが、Enterprise2.0のわかりやすいメタファーである。
しかしユーザーの行動を先回りして予測して、必要な書類を探し出してくれたり、アポイントを抑えてくれたり、ルーチンの仕事を片付けてくれる秘書はまだパソコンの中に現れてくれそうもない。思った以上に人工知能の開発は難しいらしい(2003年には言葉を喋り、人間を助けてくれる鉄腕アトムが生まれるはずだったのだが…)。
では、すばらしい人工知能が完成するまで指をくわえて待つしかないのだろうか。
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