- 2007/01/25 掲載
【Web解析2.0/連載[1]】なぜ、Web解析を行うのか?
マクニカ 事業開発統括部 Webサービスプロジェクト マーケティング 鈴木富士雄 氏
マクニカ 事業開発統括部 Webサービスプロジェクト マーケティング 鈴木富士雄 氏 |
筆者の会社(マクニカ)の当時のサイト公開の目的はずばり「紙の会社案内の電子化」であり、「求人」だった。もともとのコンテンツはインターロップという展示会において、各企業の案内ページを会場内LANで共有、会社案内を共有したのが始まりであった。大きな社屋の写真、会社案内、製品写真と会社の住所、それだけでも最初にMOSAICで見たときは感動したものだった。
当時のアクセス解析を見て気付いたこと、それは企業案内の他に、ユーザーが地図の画像データにアクセスしていることだった。ここにいち早く目をつけ、マクニカではトップページに地図へのリンクを張ってある。
いまだにそうだが、法人サイトでトップページから地図ページに3クリックで到達しないのは、よくできてないサイトだと思う。トップ画像Flashにこだわるより、ユーザーが地図(当然ユーザーにわかりやすい地図)を容易に探せるようにしなければならない。筆者の個人的経験では、営業訪問するときには地図サイトよりかは会社が用意した地図の方が目印が書いてあり、わかりやすい。
ある顧客の実社屋への誘導は、道路の目印の写真、社屋の中の案内、そして、なんと社内のトイレの写真まであった。(現在は、普通のページになってしまったが)ユーザーが歩きながら、見た景色を写真でのせるという方法は来客にも好評で、来られたお客様から、感心されたことがある。
2000年、グーグルが広く知られるようになると、アクセスログにも変化がおきてきた。マクニカは、CU-SeeMEという動画中継ソフトを10年前に発売していたのだが、この商品サイトを作ると、製品紹介のページに続いて、FAQページのアクセス数の伸びが顕著になった。ここになると商品よりはアフターサポートにネットが介在しているのがわかった。また各種ドライバダウンロードの数も伸びた。当時は回線が細いため、6MBのファイルはダウンロード途中で失敗が続出、よくCD-Rに焼いて送っていた。そのあたりから、トップページのアクセスに加え、製品紹介、採用情報、会社案内のページが上位に上がってきていた。まぎれもなく、人気のある商品へ検索エンジンから直接きていることがわかった。
検索エンジン主導のネット時代において、もはやトップページは単なるナビゲーターとなりつつある。グーグルのトップページがそれを物語っている。検索窓だけで、バナーなどは一切ないシンプルなページである。これでもユーザーは使うし、最近はブラウザの拡張機能として検索窓がついたりする。
そこで近年のWebサイト構築では、「入り口ぺージ」とそれを利用した「ランディングページ」を利用し、ユーザー行動を的確に分析する必要がでてきた。従来のコンピュータのファイル管理の階層化構造でなくフラットで縦横無尽なファイル構成をモニタリングしなければならないのだ。
おそらくここ2、3年でランディングページはいくつか面白いものが出てくると思われる。2年前のセミナーで検索窓ボタン広告についてよく講演をしていたが、最近はテレビCMや交通広告でよく見られるようになってきた。しかし、ただ単に検索キーワードを入れているに過ぎない広告が多い。
LPOとユーザー行動のフロー設計がしっかりしていないと、ユーザーにあきれられてしまう。昨年はこういう失敗したLPOの話題もネット上でいろいろと議論されていた。
AWSTAT事例 |
商品を売りたいのだが、意味不明のキーワードや、派手な商品バナーを貼りがちだが、それがまったく意味の無いことはアクセス解析をすれば一目瞭然だ。自社で想定しているキーワードでなく、ユーザーが今サイトに来ているキーワードこそが重要なのである。そこにアクセス解析が生きてくる。
検索してくるキーワードについては、フリーのアクセス解析ツールでもできる。アクセス解析レポートの中の検索キーワードセクションを見てみよう。(AWSTAT事例)
さて、弊社が利用している、サイトカタリストでこの点を見てみるとさらに詳細なキーワードの測定が可能になる。それは各アイテムごとのキーワード、一番売上げに貢献しているキーワード、一番ユーザを魅了しているキーワードなどである。これは企業や各社のWebサイトの性質によって異なるが、キーワードの中には次のトレンドを求めている内容が隠されている。つまりビジネスのヒントはユーザーの検索キーワードから来ているのだ。
何も難しいことはない、これは20年前は営業マンや店員がお客様との会話の中で、そのヒントを見つけてきたもの。いわゆる「現場主義」だ。ありがたいことには今は営業に行かなくてもお客様がサイトでそのヒントを教えてくれる。リアルな営業の会話がオンラインでサーバに記録されているだけの事だ。
しかしほとんどの企業のマーケティング担当者はこの「現場主義のオンライン化」、キーワードの重要性に気付いていない。宝はむこうからやってくるのにである。もったいないことである。
これらの情報をリアルタイムに把握することで、経営のヒントをインターネットで知ることができるのである。
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