新時代の環境づくりを目指す加藤建設

加藤建設本社

　加藤建設は、NECネクサソリューションズ、NECインフロンティアと共同で、マネージドVPNサービス「Clovernet（クローバーネット）」とIP対応キーテレフォンシステム「Aspire（アスパイア）」を利用した統合ネットワークシステムを構築した。

　従来、本社と各拠点間、2系統で運用していたデータ・内線電話の回線をClovernet上に統合、効率化し、内線通話のコストを削減している。また、Aspireを一部VOIPゲートウェイとして利用し、既存設備を活かすことで、初期費用のミニマム化を図っている。

　加藤建設は愛知県海部郡蟹江町で操業する総合建設会社。土木一式工事や建築一式工事のほか、各種事業を取り扱っている。中でも土木工事の地盤工事、地盤改良工事など特殊工法を用いる工事には優れた技術を有し、土の入れ替えをせずに軟弱土を強化する「パワーブレンダー工法」においては優れた評価を得ている。また水質浄化・汚染土壌対策などの環境技術にも定評があり、“新時代の環境づくり”を目指して、人々が豊かさと自然を実感できる快適な環境作りを提案している。


業務改善のため急務だったネットワークの強化

　加藤建設では、建設図面や現場写真など増大するデータ量への対応や、全国各自治体で必須となりつつある電子入札への対応など、業務効率化向上のためデータネットワーク強化が急務の課題であった。それらに対応するため、NECネクサソリューションズが提供する低コスト・高セキュリティのマネージドVPNサービス「Clovernet」を導入し、従来のデータネットワークと比べ約300倍の帯域に増強されたネットワーク環境によって、大容量データでもスムーズにやり取りできる環境を実現した。これにより、これまでかかっていた時間的工数の大幅な削減を可能にした。


30%の通信コストを削減

　また、加藤建設では従来、比較的大規模な拠点とは市内専用線を使用して内線通話をおこなっていたが、今回、NECインフロンティアのAspireを使用して、市内専用線をIP電話に切り替えた。内線網をClovernetに統合。データ回線として使用していたClovernetと統合することにより、ネットワークの基本使用料を抑え、これまで市内専用線にかかっていたコストを削減している。さらに、本社Aspire導入に伴い、携帯電話への通話に自動的にキャリアコードを付加する設定を行うことで、自動的に通常より安価な通話料金で、固定電話から携帯電話へ電話をかけることを実現。建設業という業務上、現場作業者の携帯電話への連絡が多く、本社の通話料に占める割合が大きかったため大幅なコスト削減を実現でき、前述の内線網のコスト削減を合わせ、従来比約30％の通信費削減になっている。

　加えて拠点へのAspire導入では、初期導入コストを抑えるために、既存交換機を活かしながら、Aspireを交換機としてではなくVOIPゲートウェイとして導入している。このシステム構成だと既存交換機を入れ替える必要がないため、設置機器コストが抑えられるほか、VOIPゲートウェイとして導入したAspireは、既存交換機の老朽化時への対応や、音声ネットワークのさらなるIP化への拡張に対しても、IP対応交換機として電話機の増設で対応できるため、低コストで設備更新・拡張が可能である。

　初期コストをミニマムに抑え、段階的にシステムをステップアップしていくことが可能なことが加藤建設に選ばれるポイントとなった。加藤建設では今後、各拠点の電話設備をAspireで順次機能強化し、音声内線網を拡充していく予定だという。

加藤建設ネットワーク構成図

　今回の統合ネットワークシステムでは、ネットワークサービスから交換機、ネットワーク機器までNECグループで統一したことによって、システム窓口の統一化を図っている。ネットワークやそれに接続する機器の保守担当がそれぞれ異なると、障害が発生した際には障害原因の特定や障害領域の切り分けに手間がかかるが、保守窓口をNECネクサソリューションズに一本化し、同一グループでシステムをまとめたことにより、より迅速な保守・サポートを可能にしている。万一の障害時にも一本化された指示系統の下、整然と原因調査・復旧作業を行うことができるという。