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- 2023/06/09 掲載
Microsoft Build 2023「生成AI関連まとめ」、見逃せない「Azure AI Studioの進化」とは?
Microsoft Build2023が開幕
Microsoft Buildは、米マイクロソフトが年に一度開催している開発者向けカンファレンスです。今まではWindowsやMicrosoft365、GitHubにVisual Studioなどさまざまなサービスやプロダクトに関する発表がされていて、一般ユーザーにとっても無視することはできないイベントになっています。Microsoft Build2023では、「AI時代」を加速させるさまざまな情報が発表されました。話題のOpenAIが開発した「ChatGPT」を検索エンジンのBingに統合することや、「Copilot」という「ChatGPT」内に搭載されているLLM(大規模言語モデル)とマイクロソフト製品を組み合わせた次世代サービスなどが発表され、日本でも大きなインパクトを残しました。
本稿ではMicrosoft Build2023で発表されたものからChatGPTを中心に重要なトピックをおさらいしていきます。
「ChatGPT」のデフォルト検索エンジンにBingが搭載
Microsoft Buildでの発表で、ChatGPTのBrowsing機能のデフォルト検索エンジンがBingになることが明らかになりました。Browsing機能とは、検索エンジンの検索結果を基にリアルタイムなデータで回答を生成する機能で、これまでのChatGPTにはできなかった2022年以降の情報を取り入れた回答の生成が可能となっています。さらに回答の引用元も提示されるようになるため、詳細を知ることや事実の確認などが可能になります。Browsing機能は、これまでChatGPTの有料版であるChatGPT Plusで提供されていましたが、今回のパートナーシップによって無料版でも提供が始まることになります。
筆者も実際にBing Chatに搭載されているBrowsing機能を使って、旅行プランを生成させてみましたが、リアルタイムのデータが反映されるため、今までの対話AIにはなかった使いやすさを感じました。また、情報の出典が提示される安心感は今までの対話AIにはないものです。
OpenAIと共同開発したプラグインプラットフォーム
マイクロソフトは今回、OpenAIと共同で「プラグインプラットフォーム」を開発することを発表しています。今回の共同開発に寄って相互運用性が高まり、ChatGPT用に開発されていたプラグインがBing ChatやMicrosoft Copilot、Windows Copilotなどさまざまなアプリケーションにも導入できるようになりました。たとえば、WordやExcelなどでChatGPTと同じプラグインが使用でき、Excelでデータを打ち込み、Copilotに指示をしたらAIが分析をしてくれたり、Wordで事務書類を作成する際にテキストを自動生成してくれたりなど、実務で導入できるレベルのサービスが提供されます。これらの機能はまだ発表段階で、日本での価格や実装時期はまだ発表されていません。
今後はアトラシアン(Atlassian)やアドビ(Adobe)、サービスナウ(ServiceNow)、トムソン・ロイター(Thomson Reuters)、ムーブワークス(Moveworks)、ミューラル(Mural)といったパートナー企業製の50種類以上のプラグインにアクセス可能になる予定で、以降もさまざまな企業がプラグイン開発に乗り出すでしょう。
Azure AI Studioで独自のAIを開発
「Azure AI Studio」はOpenAIの言語モデルを活用したアプリケーション開発を作成、管理、デプロイするための新しいプラットフォームです。
AIで簡潔なプレゼンテーション(セールスピッチなど)の資料を書いたり、プレゼンテーション用の画像を生成するなど、自分の目的に合ったアプリケーションを開発できます。このAIについて革新的なアップデートがいくつかありましたので、紹介していきます。 【次ページ】見逃せない「Azure AI Studioの進化」とは?
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