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使いこなせればメリットが多い「データ活用」ですが、そもそも組織としてのデータ活用の経験が少ない、あるいは不慣れな社員が多く、データ活用の機運が高まらないということがあるでしょう。そんなとき、一体何から始めればよいのでしょうか。今回は組織をデータドリブンに変える重要性や組織構築のための4つの取り組みなどについて解説します。
データ活用の「5つ」のメリット
前回の記事では、データ収集の前に「データ活用企画」を考えることの重要性をお伝えしました。データはビジネスの課題解決の手段であって、データ収集やデータ活用自体が目的になってはいけない。という事が最もお伝えしたかったことです。
今回はまず、データ活用のメリットについて考えていきましょう。
データ活用のメリットについては、おおむね以下の5つが挙げられます。これらメリットが発揮されれば、課題解決の確率が高まっていくため、多くの企業が全社的にデータ活用を推進しています。
■データ活用のメリット
- 現状認識が明確になる
- 新しい視点が手に入る
- 説得力が高まる
- 客観的で建設的な議論を促進する
- 問題解決のためのアクションが生まれる
私は通常、新規事業開発や組織開発のコンサルティングをなりわいとしていますが、企業人事の方から、「データドリブンな組織に変えていきたいが、多くの社員がデータ活用に及び腰。色々と研修やツール導入を行ったが、データ活用できる人材はごく一部にとどまっている」という悩みをよく伺います。
データ活用になじみがない方は、データ活用のことを、「面倒くさい」「活用の意義を見いだせない」「難しそう」と感じています。それもそのはずで、よくある需要予測・広告効果の最適化・購買実態の可視化などの事例を見せられても、自分の業務と遠すぎて、実感が湧かないわけです。
そのため、データ活用のメリットを多くの社員が実感するために必要なのは、「自分が関心ある課題が、データ活用によって解決される経験をすること」なのです。
時間の使い方をデータで可視化する重要性とは
どんな社員でも関心ある課題の1つとして、「仕事の生産性を高めること」が挙げられるでしょう。そして、そのためにまず取り組んでもらいたいのが「時間の使い方(どのような仕事に・どれくらいの時間を使っているか?)をデータで可視化すること」です。生産性もビジネスの成果も、時間の使い方で決まるからです。
私たちは生まれてから死ぬまで、時間を使い続けて生きています。時間が増えることは決してなく、減り続けます。
厚生労働省の「
簡易生命表(令和2年)」によると、平均寿命は男性が81.64歳・女性が87.74歳です。現年齢が40歳の男女が仮に平均寿命まで生きるとすると、残された時間は男性が約42年・15,330日・367,920時間、女性が約48年・17,520日・420,480時間です。仮に毎日7時間を睡眠に充てるとすると、活動時間は男性が260,610時間、女性が297,840時間となります。
時間の可視化は、命の使い方の可視化とも言えるでしょう。
この活動時間を、仕事・家族との時間・趣味やレジャー・休息などそれぞれの価値観に合わせて使った結果、私たちは喜怒哀楽といった感情報酬、給与や副業収入などの金銭報酬、新しい友人との出会いなどの人的報酬など、さまざまな報酬や成果を得ています。
仕事の生産性が高まるということは、より少ない時間で、より大きな成果を出すという事です。
時間の使い方を分析し、発見・気づきを得て、新しい意思決定や行動へつなげていくことで、生産性を高めることができるのです。
【次ページ】誰でもできる「データ分析」の方法とは?
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