空飛ぶクルマとは、電気により自動で空を飛び、垂直離着陸が可能な飛行機とドローンの間に位置する新たなモビリティを指し、正式には「電動垂直離発着型無操縦者航空機(eVTOL:electric Vertical Take-Off and Landing)」と呼ばれる。
空飛ぶクルマと呼ばれることが多いが、現在では、車道と空の双方を走行する機体というよりは空の移動を中心に据えた検討が進んでおり、「クルマ」ではなく航空機として分類されている。単に空飛ぶクルマと呼ばれるだけでなく、eVTOL、Flying car、UAM(Urban Air Mobility)などとも呼ばれることがある。
空飛ぶクルマは、ヘリコプターと比べて経済性・静粛性・環境性が高く、新たな都市航空交通(Urban Air Mobility)として期待されている。今後、すでに市場が形成されているヘリコプターとともに、併用・補完する形で空飛ぶクルマが普及していくことが想定される。
空飛ぶクルマに期待されている役割
空飛ぶクルマについては、2018年8月より経済産業省・国土交通省が「空の移動革命に向けた官民協議会」を立ち上げ、産学官連携のもと議論が進められてきた。2025年の大阪・関西万博や、その後の都市部での“次世代空モビリティ(Advanced Air Mobility)”としての活用のみならず、過疎・山間部・離島などの地域の交通手段や災害時の物流・交通手段としての社会実装を目指している。