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  • 2017/03/28 掲載

Numecent 創業者に聞くVDIの最新動向、AWSやAzureにロックされない方法とは

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働き方が多様化すると、次にそれを実現するツールが問題となる。なるべく会社の自席で使うのと同じ環境・同じパフォーマンスで作業をしたいと考えるのは道理と言えよう。しかし、ネットワーク越しのデスクトップ仮想化(VDI)の場合、必ずしも望んだとおりの結果が得られるわけではない。また、仮想化すれば管理の煩わしさは増すことになる。こうした諸問題を解決できるソリューションとして、Numecent(ニューメッセント)のクラウドページング(CLOUDPAGING)技術は誕生した。同技術の生みの親でもあるDr. Arthur Hitomi (アーサー・ヒトミ 博士) CEOと日本での販売を行うアセンテックの取締役副社長 松浦崇 氏にVDIテクノロジーの最新動向を聞いた。
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Numecent
CEO 兼 共同創業者
アーサー・ヒトミ氏

優れたネットワークが出てきても、それを消費するソフトウェアは登場する

 Numecentのクラウドページングは、クラウドからアプリケーションを配信する技術で、ファイルをすべてダウンロードすることなくアプリケーションを実行できるのが特徴となる。

 たとえば、3.5GBのPhotoshopをダウンロードしてから実行するまで、ブロードバンド環境でも通常は約40分程度はかかるだろう。ところが、クラウドページングを使うと40秒以内に実行できる。さらに、業界一を誇るWindowsアプリを配信できる高い互換性も大きなメリットだ。

 いま、米国ではクラウドページングをはじめとするアプリケーション配信の技術が注目を集めている。理由の1つはクラウドの進展とともに、アプリケーションとデータをユーザーの近くに置くメリットが再認識されているから。それはVDIやIoTにおいても同じだと、NumecentのCEO アーサー・ヒトミ氏は次のように説明する。

「VDIを構築してすべてをクラウドに置くと、アプリケーションとデータが遠くにあることになります。その結果、ネットワークの遅延や切断、ファイアウォールのブロックなどの問題が発生します。IoTも同じです。現在は、まだIoTデバイスはデータを一方的に送るだけですが、いずれデバイス同士がデータをやりとりするようになります。そのとき、アプリケーションとデータはIoTデバイスのそばにあった方がよいのです」(ヒトミ氏)

 しかし、そもそもこうした問題は、ネットワークの帯域の問題であったり、ハードウェアの性能向上などの問題ではないのか。

「どんなに優れたネットワークやハードウェアが敷設・開発されても、それを消費するソフトウェアは必ず登場するものです。そのため、高度なアプリケーション配信技術でさらによいパフォーマンスを実現できるとなれば、その技術は必要とされます」(ヒトミ氏)

アプリケーション・ユーザー管理機能「DAPP」を搭載

 クラウドページングは、現在も進化を続けている技術だ。主力となるWindows版の最新バージョンは、Windows 10とWindows Server 2016に対応し、パフォーマンスがさらに改善された。

 ヒトミ氏によれば、クライアント側のアプリケーション起動は約15%高速化し、サーバ側のアプリケーション配信は4~5倍高速化されたという。

 また、インテルのCPU Skylakeで導入されたSGX(Software Guard eXtentions)にも対応した。SGXは、CPU内にソフトウェアによる保護領域を作成する機能で、著作権保護(DRM)やカード情報などの高いセキュリティを必要とするデータの処理に適している。

「ソフトウェアベンダーがDRMに対応するためには、通常はソースコードの修正が必要です。しかし、SGXに対応したクラウドページングがアプリケーションをコンテナ化して配信するため、ソフトウェアベンダーはソースコードを変えることなくDRMに対応できます」(ヒトミ氏)

 もう1つの注目の新機能が「DAPP(Dynamic Application Provisioning Platform)」だ。これは、アプリケーションとユーザーを管理する新しいツールである。現在はまだベータ段階だが、すでにトライアル導入し、成果を挙げている企業もある。

「世界中に100以上の拠点を持ち、約1万人のエンジニアを抱えている建設業のお客さまがDAPPを活用しています。その企業は700以上のアプリケーションを使っていますが、プロジェクトごとにアプリケーションが異なり、同じアプリケーションでも、プロジェクトによってバージョンが異なっていました。このため、IT部門が1つずつインストールせざるをえませんでしたが、DAPPの導入により、現場のユーザー自身が必要なアプリケーションのセットをプロジェクト単位で自由に準備できるようになりました」(ヒトミ氏)

 なお、DAPPはまだ発展途上のツールだ。今後は、ソフトウェアのライセンスをセルフサービスで管理する機能、およびアプリケーションのセットをテンプレート化し、異なる環境下でも迅速にアプリケーションを利用可能にする機能も実装される予定という。

【次ページ】AWSやAzureにロックされないVDIクラウドとは
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