- 2025/04/03 掲載
米関税政策、世界経済脅かす可能性=豪中銀金融安定報告
[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は3日公表した半期に一度の金融安定報告で、米国の貿易政策が世界経済に大きな逆風をもたらし、市場でリスク回避の動きが急激に高まり、企業の資金調達コストが上昇する可能性があると警告した。
中銀は米国の貿易政策を巡る不透明感や、貿易相手国が報復措置を講じる可能性から企業や家計の支出が抑制される恐れがあると指摘。
「主要な国際金融市場の脆弱性が顕在化し、無秩序な価格調整につながる可能性がある」と述べた。
「現在の低水準からリスクが急激に再評価されれば、企業の借り入れコストが急上昇し、財務上の課題を増幅させる可能性がある」とし、ノンバンク融資セクターがより高いリスクに直面するとの見方を示した。
トランプ米大統領は2日、貿易相手国に対し相互関税を課すと発表した。全ての輸入品に一律10%の基本関税を課した上で、各国の関税や非関税障壁を考慮し、国・地域別に税率を上乗せする。
豪中銀の金融安定報告はこの発表の前にまとめられた。
トランプ氏の発表によると、オーストラリアの関税率は10%となっているが、オーストラリア最大の輸出市場である中国への関税は発動済みの20%に加え、34%が上乗せされる。
中銀は中国について、景気減速により、不動産セクター低迷による金融システムの長年の脆弱性が悪化し、一段の政策対応が必要になるという見解を示した。
国内に関しては、銀行の資本は潤沢で、企業は引き続き強靭だとしたほか、インフレ鈍化と金利低下に伴い家計が直面する経済的な圧力は若干和らいだようだとした。
中銀は1日の理事会で、政策金利を4.1%に据え置いた。2月には約4年ぶりに利下げを実施した。
労働市場の強さが物価上昇圧力の拡大につながる可能性への懸念から、さらなるデータを待って、インフレが正しい方向に向かっていることを確認する方針だ。
スワップ市場では5月の利下げ確率が70%織り込まれている。米国の関税に関する最新のニュースを受け、年内に見込まれる利下げ幅は80ベーシスポイント(bp)に拡大した。
中銀は、ローンの返済を滞納するリスクのある借り手は数四半期前のピーク時の5%から現在は約3%に減少していると予測した。
その上で、金融緩和が家計の過剰債務を助長すれば、脆弱性が高まる可能性があると指摘。
「規制当局は、実際の金融緩和やその見通しから、時間の経過とともに顕在化する可能性のある住宅関連の脆弱性を注意深く監視していく」と述べた。
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