- 2025/03/28 掲載
米の孤立主義政策で脱ドル化加速も、アナリストが指摘
[ロンドン 27日 ロイター] - ドイツ銀行のアナリストは、米連邦準備理事会(FRB)が金融ストレス下で同盟国へのドル資金供給を留保すれば、世界がドルへの依存を大幅に減らし、米国にとって「諸刃の剣」になりかねないとの見方を示した。
ロイターは22日、市場の緊急時に米連邦準備理事会(FRB)がドル資金を供給してくれるかどうかを欧州の中央銀行や監督当局が疑問視していると報じた。
ドイツ銀のアナリストは、FRBのバックストップがなければ、短期的に「ドルの流動性争奪でドル資金調達コストが上昇し、ドルの急騰につながる」と指摘。
米金融システムにもストレスが波及し、「米国資産の投げ売り」が起きる可能性があるとした。
また、FRBは独立機関だが、「米政権は道徳的説得や理事指名を通じて間接的に影響力を持つことができる」とし、「米国は理論上、他の政策目標と引き換えにスワップ枠を選択的に利用する可能性がある」との見方を示した。
その上で、FRBのスワップ枠撤回が懸念されるようになれば、世界がより急速に脱ドル化を進める圧力になるとした。
ラボバンクの為替戦略責任者ジェーン・フォーリー氏は「トランプ米大統領の貿易・外交政策により、欧州は米国への依存を下げる方向に向かっており、ドルへの依存低減を模索することを示唆している可能性が高い」と指摘。
「トランプ氏は脱ドル化を試みた国に追加関税を警告したが、皮肉なことに、同氏の孤立主義政策が(脱ドル化の)流れを後押しするかもしれない」と語った。
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