- 2025/03/27 掲載
英財務相、歳出増加計画の圧縮公表
[ロンドン 26日 ロイター] - 英国のリーブス財務相は26日、財政目標を達成する道筋を明確化するため、歳出増加計画を圧縮すると明らかにした。
予算責任局(OBR)は同日、2025年の英経済成長率見通しを半減し、公的債務の予想を引き上げた。財政規律を順守することで、低調な経済見通しと長期金利上昇に伴って危ぶまれていた財政のゆとり99億ポンド(約127億5900万ドル)を確保できるとの見通しを示した。
リーブス氏による発表を受け、投資家の間には一定の安堵感もみられ、英国債価格は当初下落した後、長期債の利回りは低下した。
リーブス氏は、ウクライナ戦争やトランプ米政権の関税措置を巡る不透明感などをリスクとして列挙。「世界経済は不確実性を増しており貿易が不安定化している。多くの主要経済国で借入コストが上昇し、英国内にも不安をもたらしている」と説明した。
リーブス氏は、30年までに恒常的な歳出額と税収を均衡させることを目指している。今回の発表では、歳出は実質ベースで従来よりもペースがやや鈍化し、年1.2%の伸びを見込んでいると述べた。
市場関係者からは「財政余力の確保は短期的にはいくらか安心材料となるとしても、一時しのぎだ」だとし、「長期的には金利上昇と成長鈍化の中、予算上の課題は残る」との声が聞かれた。
OBRによると、米国が全貿易相手国に20%の相互関税を課した場合、英経済は影響がピークに達する26─27年に予想中央値よりも1%縮小するとの見通しも明らかにした。
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