連合初回集計、賃上げ率５．４６％＝３４年ぶり水準、中小も５％超―２５年春闘

連合は１４日、２０２５年春闘で傘下の労働組合が経営側から受け取った回答の第１回集計結果を発表した。基本給を底上げするベースアップ（ベア）と定期昇給を合わせた賃上げ率の加重平均は前年同時点比０．１８ポイント増の５．４６％で、過去の最終集計との比較では１９９１年（５．６６％）以来３４年ぶりの高水準となった。

組合員３００人未満の中小労組は５．０９％と９２年（５．１０％、最終集計ベース）以来３３年ぶりに５％を超えた。

物価高や人手不足を踏まえ、１２日の集中回答日では大手の経営側から高水準の回答が相次いだ。これから労使交渉が本格化する中小企業でも賃上げの勢いを持続させ、大企業との格差をどこまで縮められるかが今春闘の焦点となる。

連合の芳野友子会長は記者会見で「良いスタートが切れた」と評価。中小の賃上げには「原資が非常に重要」と強調し、「労務費を含む価格転嫁の運動をさらに強化していきたい」と話した。

集計は１４日午前１０時時点で、回答を受け取った７６０組合が対象。定昇を含む賃上げ獲得額は１３５９円増の平均１万７８２８円だった。ベア分については、明確にわかる６４９組合の平均で１０６４円増の１万２５７１円だった。

連合は２４年春闘（最終集計５．１０％）に続き、今春闘でも「５％以上」の賃上げを要求。大手と中小の規模間格差を是正するため、中小については全体より高い「６％以上」の目標を掲げている。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する連合の芳野友子会長（中央）＝１４日午後、東京都千代田区