- 2025/03/04 掲載
トランプ政権の関税措置発動、企業の不確実性は解消せず
[4日 ロイター] - トランプ米政権は4日、主要貿易相手国である中国、カナダ、メキシコに対する関税措置を発動した。しかし企業幹部が直面する不確実性の解消には依然として程遠い状況だ。
LSEGのデータによると、年初から750社以上の米大手企業が投資家向けイベントや決算説明会で、トランプ政権の通商政策について言及している。
4日の関税発動でいくらか不確実性は低下したものの、トランプ氏は欧州連合(EU)に対しても追加関税を課す意向を示しており、銅や木材の輸入に新たに関税をかける可能性がある。こうした米国の措置に対し、他の国々は対抗措置を打ち出す構えを見せている。
コンファレンス・ボードの幹部デービッド・ヤング氏は「不透明な状況は続いている。決定の先送りや延期といった動きが見られる。非常に停滞した状況だ」と述べた。
<信頼感の低下>
トランプ氏の再選後、企業や消費者の信頼感は改善していたが、ここ数週間は不確実性を背景に悪化の兆しが見られる。
CAD(コンピューターによる設計)ソフトウエア大手、オートデスクのアンドリュー・アナグノスト最高経営責任者(CEO)は投資家に対し、「不確実性が顧客の不安をあおっている」とし「われわれは政策の確実性を求めている」と語った。
ホンダや米製薬大手ファイザーなど、一部の企業は製造拠点の一部を米国に移す可能性を示唆しているが、コスト増につながる可能性がある。
一部の企業は関税発動に備えて商品を前倒しで発注したが、需要の不透明さから過剰な在庫を避けたい意向が強く、短期的な対策に過ぎないと述べている。
カナダの自動車部品メーカー、マーティンレアのパット・デラモ(CEO)は、「(関税対策は)経営資源の無駄だ。それよりも競争力を高めるためのコスト削減策に取り組む方がはるかに有益だ」と指摘した。
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