• 2025/03/03 掲載

アングル:ECB、見極めにくい利下げペース 関税など不確定要素多く

ロイター

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Yoruk Bahceli Stefano Rebaudo

[ロンドン 3日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で再び利下げを実施する見込みだが、投資家が次の措置についてこれほど迷っているのは前例がない。

米国による関税発動リスクに加え、ドイツの新政権、ウクライナ停戦の可能性、国防費急増に伴う影響など、不確実な要素が極めて多い。

ECB当局者の間では、昨年6月以降で5回目の利下げを実施した後、どの程度のペースで利下げを行うかについて意見が分かれている。

チューリヒ・インシュアランス・グループのチーフマーケットストラテジスト、ガイ・ミラー氏は「もはや、会合ごとに利下げを行うような、自動操縦モードではない」と指摘した。

以下は、市場からECBへの5つの質問。

1)ECBは6日に何を決めるのか?

それは簡単だ。主要政策金利をさらに25ベーシスポイント(bp)引き下げ、2.50%にすることだ。

3月以降の金利見通しを示唆する可能性があるため、金融の状況評価も注目される。

INGのグローバルマクロヘッド、カーステン・ブルゼスキ氏は「政策はなお制約的との認識を示すのか、それともより中立的なスタンスにあることを示唆するのか注目される」と述べた。

先週発生した、ユーロ圏の中銀間の決済システム「ターゲット2(T2)」の障害に関するコメントも要注目だ。

2)利下げは3月以降も続くのか?

市場はそう考えているが、そのペースについては一筋縄では行かないかもしれない。

市場では、年末までに90bp弱の利下げが実施されると見ており、2%まであと3回、もしくは1.75%まであと4回の利下げが実施される可能性がある。これは、ECBが1.75─2.25%と見積もっている、成長を刺激も抑制もしない中立金利におおむね一致する。

それでも、トレーダーは4月利下げの可能性を70%程度と予想しており、不確実性が浮き彫りになっている。

多くの当局者は、政策金利の最終的な水準については市場の予想に同調しているようだが、利下げペースに関する議論は白熱している。

例えば、当局者の間ではECBの政策が依然として制約的との見方が一般的だが、タカ派の筆頭とされるシュナーベルECB専務理事はそれを疑問視している。

そのため、スウェーデンの銀行SEBは、当局者の一部は4月会合で利下げの一時停止を主張する可能性があるとみている。

しかし、タカ派が懸念している高いサービスインフレを下支えしてきたと考えられる賃金の伸びは今後、急速に低下する兆候がある。実際、先週末に発表されたデータでは、サービスインフレを含むインフレ見通しが改善していることが示唆された。

ハト派のセンテノ・ポルトガル中銀総裁は、経済が低迷していることを理由に、インフレ率は目標を下回る可能性があると指摘している。

3)ECBはこれまでの関税の影響をどう評価するのか?

現在までのところ、実際に発効したのは米国の対中関税10%だけだ。よって、ECBはまだ関税を政策に織り込まないだろう。

トランプ米大統領は、欧州に対しては、3月12日から鉄鋼とアルミニウムの輸入品に25%の関税を課すと発表した。また、米国からの輸入品に課税している全ての国に対して、相互関税を検討している。

先週には、欧州の自動車やその他の商品に25%の相互関税をかけることを示唆した。

ドイツのキール研究所の試算では、これにより欧州経済は最初の1年で0.4%押し下げられるという。2025年のユーロ圏成長率がわずか0.9%にとどまる見通しであることを考えれば、大きな打撃だ。

一方、関税の脅しが交渉ツールである可能性もある。

INGのブルゼスキ氏は、何が課されるのか、ECBは4月まで待つことになるだろうと話す。

4)ECBにとってウクライナ停戦は何を意味するのか?

投資家は、ウクライナの停戦は経済を下支えし、エネルギー価格を下げるだろうが、それは小幅なものにすぎないと考えている。

ベレンベルクのチーフエコノミスト、ホルガー・シュマイディング氏は、停戦はECBの考え方にわずかな影響しか与えないだろうと述べた。「関税の方が大きな影響を与える」という。

欧州抜きでのウクライナ停戦交渉は、欧州の防衛力強化への圧力を高め、数千億ユーロの公的支出が必要になる可能性がある。

バークレイズは、財政支出が増えれば利下げ幅が小さくなる可能性があるとみる。一方、シティなど他の金融機関は、長期借り入れコストの上昇は利下げ幅の拡大を意味すると考えている。

5)ECBの最新予測では何が示されるか?

24年末の成長率はECBの12月時点の予測を下回った。そのため、成長率予想は3回連続で下方修正されるだろう。

インフレ率については、前回の予想からエネルギー価格が上昇しているため、今年の数値は若干の上方修正が予想される。

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