［チューリヒ　３日　ロイター］ - スイス国立銀行（中央銀行）が３日発表した２０２４年決算は、利益が８０７億スイスフラン（８９５億ドル）で過去最高となった。株高、ドル高、金価格上昇が寄与し、２３年（３２億フランの損失）から黒字転換した。これまでの過去最高益（１７年の５４０億フラン）を大幅に更新した。

外貨ポジション（外貨建て債券・株式）で６７３億フランの利益、保有金で２１２億フランの評価益を計上した。

配当準備金の５３２億フランのマイナス分を考慮した純利益は１５９億フラン。

２１年以来となる配当を実施する。株主に１株＝１５フラン、中央政府とカントン（州）には総額３０億フラン支払う。

ＵＢＳのエコノミスト、アレッサンドロ・ビー氏は、２５年の業績については、トランプ米政権の政策次第になるとし、「良いシナリオなら株価がさらに上昇する可能性があり、中銀の業績に寄与する。一方貿易戦争のシナリオでは、株価下落、インフレ上昇、金利上となり、マイナスの影響を及ぼす」と述べた。