- 2025/03/01 掲載
NY市場サマリー(28日)株反発、ユーロ2週間ぶり安値 利回り低下
ユーロは会合後に急落し、12日以来の安値となる1.0359ドルまで下落。終盤は0.29%安の1.0367ドルとなった。
米・ウクライナ両首脳はウクライナの鉱物資源の権益に関する合意文書に署名する予定だったが、ロシアへの対応などを巡り厳しい言葉の応酬が相次ぎ、ゼレンスキー氏は合意文書に署名せずホワイトハウスを後にした。
序盤の市場では、この日発表された米の個人消費支出(PCE)価格指数を受けてドルは小幅下落していた。
2025年1月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇した。伸びは前月の2.6%から減速した。前年比での伸びが縮小する一方で、1月は個人消費支出が予想外に減少した。
ドル指数は0.23%高の107.61となった。
週間ではドルは約0.9%高となったが、月間では0.8%安となる見込み。
CMEのフェドウオッチによると、米連邦準備理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利下げを行うとの見方は小幅に高まった。市場が織り込む利下げの可能性は79.1%と、前日の約70%から上昇した。
ドル/円は0.53%高の150.59円。投資家の間で日銀が年内に利上げするとの見方が強まったため、月間では3%近く下落した。
英ポンドは0.23%安の1.2568ドルとなった。
<債券> 利回りが数カ月ぶりの低水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が重視する個人消費支出(PCE)価格指数の発表を受け、利回りは一時、小幅上昇したものの、再び低下に転じた。
ホワイトハウスで開かれたトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が決裂したことを受け、利回りは低下幅を拡大した。
指標となる10年国債利回りは、6.4ベーシスポイント(bp)低下の4.216%となった。取引序盤には、ゼレンスキー氏とトランプ氏の衝突を受け、一時2.212%と、昨年の12月11日以来の低水準を付けた。
2年債利回りは8.5bp低下の3.989%。一時、昨年10月21日以来の低水準となる3.985%まで低下した。
ここ数週間での消費者信頼感や、製造業、小売業など一連の経済指標の低迷を受け国債に買いが入り、利回りは低下基調にある。また、トランプ政権の関税発動が経済成長とインフレに与える影響を巡る懸念から、安全資産とされる国債への資金流入が続いている。
<株式> 不安定な取引の中、反発して取引を終えた。トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談が決裂したとの報道を受け、直後は下落していた。
デル・テクノロジーズが下落する一方、他のハイテク株は上昇した。
米・ウクライナの首脳は28日、ホワイトハウスで会談。ウクライナの鉱物資源の権益に関する合意文書に署名する予定だったが、記者団の面前でロシアへの対応などを巡り厳しい言葉の応酬が相次ぎ、ゼレンスキー氏は合意文書に署名せずホワイトハウスを後にした。
S&P総合500種株価指数は、この報道直後は下落したが、その後回復し、この日は上昇で終わった。
50パーク・インベストメンツの最高経営責任者(CEO)、アダム・サルハン氏は「ニュースを生で見た人は、かなり心配になっただろう。市場はいったん売られたが、その後冷静になった。ゼレンスキー氏は取引に応じるか応じないかのどちらかだ」と指摘した。
デルは4.7%下落。2026年度の見通しを嫌気した。同業のパソコン大手HPも6.8%下落した。
半導体大手エヌビディアと電気自動車(EV)大手テスラはそれぞれ4%近く上昇し、S&P500を押し上げた。
S&P500の11のセクター指数は全て上昇。金融が2.1%上昇、一般消費財は1.8%上昇した。
週間では、S&P500は約1%下落、ナスダックは3.5%下落、ダウは約1%上昇した。
投資家の不安心理を示す「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数(ボラティリティー・インデックス)は21.26ポイントまで上昇。一時1カ月ぶりの高水準を付けた。
米取引所の合算出来高は175億株。直近20営業日の平均は154億株。
S&P500種では値上がり銘柄が値下がり銘柄を7.1対1の比率で上回った。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利の一時上昇などを背景に、続落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比47.40ドル(1.64%)安の1オンス=2848.50ドル。週間では3.55%安だった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、トランプ米政権が打ち出す通商政策への懸念がくすぶる中、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比0.59ドル(0.84 %)安の1バレル=69.76ドルだった。5月物は0.61ドル安の69.34ドル。週間では0.90%下落した。
ドル/円 NY終値 150.60/150.65
始値 150.38
高値 150.98
安値 150.24
ユーロ/ドル NY終値 1.0375/1.0377
始値 1.0396
高値 1.0419
安値 1.0361
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 102*09.50 4.4848%
前営業日終値 101*05.00 4.5540%
10年債(指標銘柄) 17時05分 103*13.00 4.2025%
前営業日終値 102*23.00 4.2870%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.25 4.0121%
前営業日終値 99*17.00 4.1050%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*08.38 3.9869%
前営業日終値 100*02.75 4.0800%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 43840.91 +601.41 +1.39
前営業日終値 43239.50
ナスダック総合 18847.28 +302.86 +1.63
前営業日終値 18544.42
S&P総合500種 5954.50 +92.93 +1.59
前営業日終値 5861.57
COMEX金 4月限 2848.5 ‐47.4
前営業日終値 2895.9
COMEX銀 5月限 3149.6 ‐61.4
前営業日終値 3211.0
北海ブレント 4月限 73.18 ‐0.86
前営業日終値 74.04
米WTI先物 4月限 69.76 ‐0.59
前営業日終値 70.35
CRB商品指数 301.8269 ‐4.2056
前営業日終値 306.0325
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