- 2025/02/27 掲載
午前の日経平均は小反発、米エヌビディア決算消化不良で方向感乏しい
[東京 27日 ロイター] -
前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比56円59銭高の3万8198円96銭と小幅に反発した。米半導体大手エヌビディアの決算については消化不良との見方が聞かれ、半導体関連株はまちまちとなり、日経平均は方向感が定まらなかった。一方、3万8000円台では下げ渋るなど下値を探る動きは限定的だった。
日経平均は前営業日比108円高と底堅くスタートした後、前場序盤に227円高の3万8369円96銭まで上昇した。ただ、買いの勢いは続かず次第に上げ幅を縮小。一時60円安となる場面もあったが、前場引けにかけては小幅高の水準でもみ合う展開となった。
エヌビディアが26日に発表した決算は売上高見通しが市場予想を上振れ、「業績面では文句の付けようがない内容」(国内証券・チーフストラテジスト)との受け止めが聞かれた。ただ、時間外取引での同社の株価がさえず、今晩の米市場での反応を見極めたいとの思惑から、東京市場の半導体株の動きはまちまちとなった。一方、データセンター需要は引き続き旺盛との見方で電線株は堅調だった。
市場では「エヌビディア決算の消化不良と、米国の関税政策を巡る不透明感で相場は気迷いムードとなっている」(山和証券・調査部部長、志田憲太郎氏)との声が聞かれた。トランプ米大統領は26日、メキシコとカナダに対する関税を4月2日に発動すると表明し、発動再延期への期待が高まったが、「日本に対する関税政策がどうなるかはまだ分からず、積極的に買える状況ではない」(志田氏)との指摘があった。
ただ、為替が急激に円高に振れるなど悪材料が出なければ、日経平均は3万8000円で下げ止まるとみられ、下値の堅さは維持されるのではないか、という。
TOPIXは0.49%高の2729.63ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆1221億9000万円だった。東証33業種では、非鉄金属、その他製品、卸売など25業種が値上がり。小売、空運、精密機器など8業種は値下がりした。
個別では、アドバンテストが1%超安、東京エレクトロンが小幅高だった。キオクシアホールディングスは11%超高でプライム市場の値上がり率トップ。フジクラは3%超高だった。
セブン&アイ・ホールディングスは11%超安で、プライム市場の値下がり率第2位。創業家から提案されていたMBO(経営陣が参加する買収)に出資を検討していた伊藤忠商事が参画を見送ることが伝わり、嫌気する動きが先行。伊藤忠は5%超高だった。
一方、日産自動車は4%超高。同社が内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)を退任させることを視野に調整を始めたと一部で報じられ、手掛かりとなった。
プライム市場の騰落数は、値上がり1142銘柄(69%)に対し、値下がりが438銘柄(26%)、変わらずが55銘柄(3%)だった。
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