[２４日 ロイター] - 世界最大の資産運用会社米ブラックロックの調査部門ブラックロック・インベストメント・インスティテュート（ＢＩＩ）は２４日、欧州株式の投資評価を従来の「アンダーウエート」から「ニュートラル」に引き上げた。地政学的対立の緩和やエネルギー価格の低下、金融緩和政策が株価を下支えするためと指摘した。

足元の欧州は経済成長が低迷し物価上昇率は鈍化しているが、同社は顧客向けノートで「欧州中央銀行（ＥＣＢ）には利下げ余地があり、これが企業の利益回復を支えると思われる。防衛費増加に加え、財政政策の緩和の可能性やウクライナ戦争の状況緩和も欧州株のプラス要因となる」と指摘した。

また、ドイツが２３日投開票の連邦議会（下院）選挙結果を受けて、財政政策の緩和につながる可能性がある上、ウクライナ戦争の終結の可能性も欧州株式に好材料となり得ると付け加えた。

ただ、欧州には依然として競争力の低迷から米国に高関税を課されかねないといった複数の構造的な問題があり、「株価を評価する際に大幅に割り引いて見ることには、それなりの理由がある」と指摘した。