- 2025/02/21 掲載
NY市場サマリー(20日)ドル下落、利回り低下 株反落・ダウ450ドル安
トランプ大統領は19日、米国に輸入される自動車、半導体、医薬品などに対する関税について「来月か、それより早く」発表すると述べた。従来の計画に木材や林産品を追加する考えも示した。
アムンディUSの債券・通貨戦略ディレクター、パレシュ・ウパダヤ氏は「市場は関税疲れの状態となっており、昨年11月の大統領選以降のような反応を示さなくなっている」と述べた。
トランプ政権の関税措置を巡る市場の懸念は後退しているものの、その影響を軽視しすぎているとの指摘もある。
こうした中、円は一時、1ドル=149.40円と、11週間ぶりの高値を付けた。取引終盤では1.1%高の149.77円となった。
日銀の植田和男総裁は20日昼過ぎ、石破茂首相と官邸で会談した。植田総裁は「金融・経済動向について意見交換した」と話した。
フィラデルフィア地区連銀が20日に発表した2月の製造業業況指数が18.1と、約5年ぶりの低下幅となったことも、ドルの若干の押し下げ要因となった。
午後の取引で、ユーロは対ドルで0.7%高の1.0499ドルとなった。ユーロは対円では1週間超ぶりの安値に沈み、0.5%安の157.21円で引けた。
ドルは対スイスフランでは0.7%安の0.8979フランとなった。
豪ドルは0.9%高の0.6401米ドル。オーストラリア統計局が20日発表した1月の雇用統計は、女性の就業が増加し、2カ月連続で予想を上回った。ただ、求職者が増えたため失業率は小幅に上昇した。
ニュージーランドドルは1%高の0.5764米ドル。
英ポンドは対ドルで0.6%高の1.2664ドルとなった。
<債券> 国債利回りがやや低下した。ベッセント米財務長官の発言を受け、長期債の入札規模が拡大されるとの懸念が和らいだ。 ベッセント長官はこの日、ブルームバーグ・ニュースに対し、連邦準備理事会(FRB)による量的引き締め(QT)政策などのハードルなどを踏まえ、近い将来の国債発行計画の変更は予定していないと述べた。 FHNフィナンシャル(シカゴ)のマクロストラテジスト、ウィル・コンパーノル氏は「国債増発の時期は先送りされ、早くても今年末か来年初めになる」と予想。ベッセント氏はイエレン前財務長官時代に財務省が短期債への依存を拡大させたことを批判していたため、長期債の増発を表明するとの観測が出ていた。 FRBが19日に公表した1月28─29日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、FRBはバランスシート縮小(量的引き締め、QT)の減速もしくは一時停止を検討。債務上限問題に関連して今後数カ月間で準備金が大きく変動する可能性があることから、この問題が解決するまでバランスシートの縮小を一時停止または減速することが適切かもしれないと複数の参加者が指摘したという。 こうした中、一部アナリストは、FRBは予想より早くQTを終了させる可能性があると指摘。バークレイズのアナリスト、ジョセフ・アベイト氏は「例えば3月か5月の会合でQTの一時停止を決定し、その後に短期的に再開した上で、9月か10月に終了させるのは合理的ではない。FRBは一時停止や段階的縮小よりも、早い時点での終了を選択する可能性が高い」と述べた。 財務省がこの日に実施した90億ドルの30年物インフレ指数連動債(TIPS)入札は、応札倍率が2.48倍。最高落札利回りは2.403%と、2010年の30年物TIPS再導入以降で最高だった。 FRB当局者の間では、シカゴ地区連銀のグールズビー総裁が、トランプ大統領が表明している広範な関税措置の導入で新型コロナウイルス禍で発生したような供給ショックが引き起こされた場合にインフレ状況が悪化する可能性に懸念を表明。セントルイス地区連銀のムサレム総裁は、米経済がスタグフレーションに陥るリスクを指摘した。 終盤の取引で10年債利回りは3.4ベーシスポイント(bp)低下の4.501%。 2年債利回りは0.8bp低下の4.266%。 2年債と10年債の利回り格差は23bpと、前日から約3bp縮小した。
<株式> 反落して取引を終えた。関税を巡る懸念や小売大手ウォルマートのさえない業績見通しが重しとなった。 幅広い銘柄に売りが出て、主要株価3指数はいずれもマイナス圏に沈んだ。ダウ工業株30種の下げが最大。S&P総合500種は前日まで2日間続いた最高値更新が止まった。 不透明感が高まる中、金価格が最高値を付け、安全資産への逃避を示唆した。 ウォルマートが20日に示した今年度の売上高と利益の見通しは市場予想を下回り、消費者需要の減退を示唆した。 ダコタ・ウェルスのシニアポートフォリオマネジャー、ロバート・パブリク氏は「米経済の70%を消費者がけん引しており、(ウォルマートの)弱気なガイダンスは消費者の健全性や今後の潜在的な消費支出に関する懸念を引き起こした」と指摘。 「それがウォルマート株への売り圧力となり、市場全体に波及したのだろう」と語った。 ウォルマートは大幅安で引けた。
<金先物> トランプ大統領の通商政策を巡る不透明感がくすぶる中、反発した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比20.00ドル(0.68%)高の1オンス=2956.10ドルと、中心限月の清算値ベースで2日ぶりに史上最高値を更新した。
<米原油先物> 石油製品在庫の減少や供給不安などを背景に3日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前日比0.32ドル(0.44%)高の1バレル=72.57ドルだった。4月物は0.38ドル高の72.48ドル。
ドル/円 NY午後4時 149.63/149.
67
始値 150.22
高値 150.23
安値 149.40
ユーロ/ドル NY午後4時 1.0502/1.05
03
始値 1.0438
高値 1.0503
安値 1.0434
米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時31分 98*02.0 4.7468
0 %
前営業日終値 97*25.5 4.7640
0 %
10年債(指標銘柄) 16時30分 100*30. 4.5053
50 %
前営業日終値 100*23. 4.5350
00 %
5年債(指標銘柄) 16時33分 99*18.2 4.3470
5 %
前営業日終値 99*15.0 4.3700
0 %
2年債(指標銘柄) 16時26分 99*23.3 4.2699
8 %
前営業日終値 99*23.1 4.2740
3 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 44176.65 -450.94 -1.01
前営業日終値 44627.59
ナスダック総合 19962.36 -93.89 -0.47
前営業日終値 20056.25
S&P総合500種 6117.52 -26.63 -0.43
前営業日終値 6144.15
COMEX金 4月限 2956.1 +20.0
前営業日終値 2936.1
COMEX銀 3月限 3348.6 +44.3
前営業日終値 3304.3
北海ブレント 4月限 76.48 +0.44
前営業日終値 76.04
米WTI先物 4月限 72.48 +0.38
前営業日終値 72.10
CRB商品指数 316.5786 ‐0.0508
前営業日終値 316.6294
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