- 2025/02/12 掲載
中国農村金融機関の合併が過去最多、問題大きくしただけとの声も
ロイターが過去12カ月間の規制関連資料や企業提出書類を調べたところ、2024年に少なくとも290の農村部の銀行や協同組合に似た金融機関が合併し、より大規模な地域金融機関となった。
大手国有銀行が手掛けていない農民や小規模企業向けサービスを提供するため、社会主義的な農村協同組合が2000年初頭に小規模農村商業銀行に転換して以来、最も大規模な合併の波となる。
約4000行ある中国の小規模銀行の多くは地方政府の支援を受け、主に短期金融市場や銀行間借り入れで資金を調達しており、一部の破綻で金融安定性が損なわれる可能性がある。
不動産セクター危機で中国経済が低迷する中、こうした小規模銀行の多くは融資の伸び悩みや不良債権の急増によって大きな打撃を受けている。
中国の農村・小規模銀行部門は昨年6月末時点で約3700社、合計57兆元(7兆8000億ドル)の資産を有しており、これはオーストラリア銀行部門の約2倍、米国の3分の1の規模だ。
ブリッジウォーターとUBSの元アジア担当アナリストで、中国の銀行セクターに関する綿密なリサーチで知られるジェイソン・ベッドフォード氏は「銀行システムは数年にわたる改革を経て、景気低迷にもかかわらず、比較的健全な状態にある」としつつ、債務超過に陥った金融機関を合併させたために「より大きな問題を抱えた銀行」が誕生しただけというケースもあると指摘する。
中国の銀行監督当局である国家金融監督管理総局からはコメントを得られなかった。
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