- 2025/02/07 掲載
ノルウェー政府系ファンド、投資先にESG対応要求を継続=幹部
[オスロ 6日 ロイター] - 世界最大級の政府系ファンド、ノルウェー政府年金基金の最高ガバナンス・コンプライアンス責任者のカリーヌ・スミス・イヘナッチョ氏は6日の記者会見で、巨大IT企業を含めた投資先企業に対してESG(環境・社会・企業統治)への取り組みを要求し続けると明らかにした。
返り咲いたトランプ米大統領は連邦政府の「多様性、公平性、包摂性(DEI)」を推進する政策の一部撤回を優先事項とし、保守的な活動家らが企業の取締役会で多様性や気候変動などの問題を議論することに反対している。
そうした中でも、運用資産が1兆8000億ドル規模に上るノルウェー政府年金基金はESGを重視し続ける姿勢を鮮明にした。
イヘナッチョ氏は「私たちはESGを巡る揺り戻しの真っ只中にあり、それは市場、企業、投資家に影響を与える」としながらも、「しかし、私たちにとってESGとは(中略)常に財務的に重要な部分であり、長期的な価値創造に関するものだった」と訴えた。その上で、「それが私たちの企業との対話であり、これからも続けていく対話だ」と強調した。
イヘナッチョ氏はロイターのインタビューで、対話の対象には巨大IT企業も含まれるとした上で「私たちは誤報を巡る問題、彼らの製品の使用、人工知能(AI)の責任ある使用について対話した。私は彼らが引き続き自分たちの投資家と良い関係を持ちたがっていると確信している」と語った。
同基金は世界の9000社弱に投資しており、保有株式の上位10社のうち9社はアップル、マイクロソフト、エヌビディアを含めたハイテク企業だ。同基金のデータによると、2024年末時点の投資額のうち19%をハイテク銘柄が占める。
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