- 2024/12/10 掲載
中国企業の香港上場、規制当局が投資銀などに支援要請=関係者
[シドニー/香港 9日 ロイター] - 中国本土と香港の規制当局は、中国企業の香港上場を加速させる手助けをしてほしいと有力投資銀行などに要請している。複数の関係者が明らかにした。
7人の関係者の話では、中国証券監督管理委員会(証監会)は10月に2回会合を開き、出席した10余りの銀行や法律事務所に対して、幾つかのオフショア上場案件の承認手続きの迅速化に取り組んでいると説明した。会合にはJPモルガン、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、UBS、中国国際金融(CICC)、華泰証券などのバンカーが出席したという。
また香港証券取引所も、10月以降で中国や外国の大手行と個別に会談を開き、中国企業の上場プロセスの最適な方法を協議してきた、と別の2人の関係者が語った。
これらの動きは中国政府の戦略が転換したことを意味している。当局は昨年3月に国内企業のオフショア市場での資金調達を規制する枠組みを導入して監視を強め、こうした資金調達が一段と低調になっていたからだ。
中国企業によるオフショア資金調達は、当局の民間セクターに対する締め付けや、市場の不安定化、景気減速、地政学的緊張なども足かせだった。
証監会は2回の会合でオフショア上場迅速化の具体的な手段は示さなかったが、中国企業にとっては上場先としてニューヨークよりも香港が好まれている。
中国企業としても、トランプ次期大統領の下で米中対立激化が予想される中で、米国での資金調達は避けたいとの思惑がある。
香港証券取引所の運営企業は「中国本土および全世界から質の高い企業が上場するのを歓迎する」と述べ、現在審査中の上場申請は約90件だと付け加えた。
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