- 2024/12/07 掲載
暗号資産「テザー」に警戒=市場シェア集中―米金融規制当局
【ワシントン時事】米金融規制当局トップで構成する金融安定監視評議会(FSOC)は6日公表の年報で、ドルなど法定通貨と価格が連動する暗号資産(仮想通貨)「ステーブルコイン」市場について、有力コインの「テザー」が大きなシェアを占めていることに警戒感を示した。
テザーは時価総額で世界のステーブルコイン市場の7割を占め、暗号資産取引で幅広く使われている。FSOCはドルなどへの換金でテザーに懸念が生じれば、暗号資産市場全体が混乱し、伝統的な金融システムにも波及する可能性があると警告した。
テザーは裏付け資産として米国債の保有を急速に拡大させており、2024年7~9月期の保有残高は1026億ドル(約15兆4000億円)と、21年から7倍近く増加した。FSOCはテザーがこのペースで購入を増やしていけば、テザーを巡って「取り付け騒ぎ」が起きた場合、米国債市場の安定性にリスクをもたらしかねないと指摘した。
テザーを含むステーブルコインのほとんどは当局の規制下にない。FSOCは米議会に対し、関連の法整備を求めている。
トランプ次期米政権は暗号資産に前向きで、推進派を政府高官に相次いで指名。米メディアによると、商務長官に指名された米投資銀行トップのハワード・ラトニック氏はテザー事業に深く関わっている。
【時事通信社】
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