- 2024/11/26 掲載
トヨタ、次世代EVレクサス車の生産延期検討 27年半ばに=関係筋
[東京 26日 ロイター] - トヨタ自動車が、2026年に投入を予定していた高級車ブランド「レクサス」の次世代電気自動車(EV)の生産開始時期を27年半ばに延期する方向で検討していることが分かった。トヨタ関係者2人が明らかにした。
生産開始の時期を先送りするのは、昨年10月のジャパンモビリティーショーで試作車「LF─ZC」として初披露した車高の低いクーペタイプのEV。従来のリチウムイオン電池のエネルギー密度を高め、性能を向上。航続距離は従来の615キロの1.7倍となる1000キロを実現し、急速充電時間は従来の30分から20分へ短縮するなど、トヨタがEV市場で存在感を示す高級車として投入する予定になっている。
同車は新型EV専用プラットフォーム(車台)を採用し、アルミ鋳造で一体成型する「ギガキャスト」技術を取り入れる。独自の車載用基本ソフト(OS)「アリーン」も搭載し、車両を購入後もネット経由でのソフトの更新により機能を拡充できる。27─28年に実用化を始める予定の次世代電池の全固体電池も搭載できる設計になっている。
日米など一部の主要地域ではEV市場の成長が減速しており、必ずしも商品投入を急ぐ必要がなく、時間的な猶予が生まれている。このため、関係者の1人は、ギガキャストや独自OSなど新技術を多く採用することもあるため、「より丁寧に慎重につくり込む」と話した。
トヨタ広報は、報道について「当社が発表したものではない」とコメントしている。
EVの普及スピードが想定より遅い足元の状況を踏まえ、トヨタは26年のEV世界生産台数を従来の150万台から約100万台へと3割削減する計画に事実上、修正している。EV強化に動いていた競合他社もEV戦略を見直している。30年までに新車販売の全てをEVにする目標を掲げていたスウェーデンのボルボ・カーは撤回。米フォード・モーターも3列シートの電動スポーツ多目的車(SUV)計画を撤回している。
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