- 2024/11/15 掲載
英GDP、9月は予想外のマイナス 第3四半期も鈍化で新政権に痛手
Andy Bruce
[15日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が15日発表した9月の国内総生産(GDP)は前月比0.1%減と予想外のマイナスとなり、第3・四半期GDP(速報値)の伸びは鈍化した。
9月はサービス業が横ばい、製造業と建設業が落ち込んだ。
第3・四半期のGDP伸び率は前期比0.1%で、第2・四半期の0.5%から鈍化した。
ロイターのエコノミスト調査とイングランド銀行(英中央銀行)の予想では、第3・四半期のGDP伸び率は前期比0.2%と見込まれており、速報値は予想以上に鈍化した。
増税と歳出拡大からなる大型予算案を発表し、成長加速を目指すリーブス財務相は出鼻をくじかれた格好だ。
リーブス氏はGDP統計を受け、「経済成長の改善は、私が達成しようとしている全ての核心であり、だからこそ私はこの数字に満足していない」と発言。「われわれは投資と改革を通じて成長を実現し、より多くの雇用を創出し、家計を潤し、国民保健サービス(NHS)を立ち直らせ、英国を再建させる」と語った。
<企業投資は好調>
企業投資は四半期ベースで1.2%増加し、4四半期連続のプラスとなった。
統計発表後のポンドと英国債はほぼ変わらず。
英国経済は新型コロナ大流行以降緩やかに成長しており、2019年後半からは3%の拡大にとどまっている。
ドイツ銀行の英国担当チーフエコノミスト、サンジェイ・ラジャ氏は「前途は依然として険しい」と述べ、予算案で発表された企業への増税が来年早々にも民間部門の投資と雇用に打撃を与える可能性があると警告した。
「25年にかけて上向きモメンタムは依然としてあるものの、下振れリスクも醸成されている。貿易戦争が見込まれ、地政学的リスクが高まっている」と語った。
リーブス氏は国民1人当たりのGDP伸び率について、2年連続で主要7カ国(G7)のトップになることを目指しているが、達成への道のりは長い。
第3・四半期の1人当たりGDPは0.1%減少し、前年比では横ばいだった。
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