• 2024/10/30 掲載

富士ソフトの企業価値向上、部分買い付けでも可能=米ベイン

ロイター

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Miho Uranaka Anton Bridge

[東京 29日 ロイター] - 米投資ファンドのベインキャピタルは29日、富士ソフト<9749.Tの非公開化に向けた公開買い付け(TOB)に関する11日の発表内容を一部変更し、同社が計画しているTOBが仮に部分的な買い付けにとどまったとしても富士ソフトの企業価値向上が可能との考えを示した。

ベインは今回の変更について、富士ソフトが18日に米ファンドのKKRからのTOBに対し表明していた賛同と応募推奨を継続すると発表した際、同社の特別委員会がベインとKKRが大株主となることで「企業価値が棄損されないかといった懸念を有している」との考えを示したことに対し、ベインとしての考え方を補足したとしている。

ベインは計画しているTOB案について「非公開化することを目的としているものの、ベインが所有する富士ソフトの議決権の数に関わらず、企業価値向上に向けて富士ソフトを全面的に支援していくことを目的とした取引」と新たに明記した。

また、TOB成立後の強制買い取り(スクイーズアウト)手続きの実施のめどが立たない場合であっても、その時点で残存する富士ソフトの株主と協力して企業価値向上を目指すと強調。事実上TOBが部分買い付けにとどまり非公開化されなかったとしても企業価値向上が可能との見解を示した。

富士ソフトは、経営推進上の課題である株主構成を整備することが最重要であるとして、非公開化を選択した経緯があり、会社側が今後ベインの提案にどういった判断を示すかが焦点となる。

非公開化には66%強の株式の取得が必要とされる。KKRは2段階TOBの1回目の期限である11月5日に、筆頭株主であるシンガポールの3Dインベストメント・パートナーズなどから発行済み株式の約33%を獲得できる見通しとなっている。

ベインは10月下旬をめどにTOBを開始することを目指しており、条件として富士ソフトの賛同表明を掲げている。

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