- 2024/10/28 掲載
日経平均は衆院選結果に買いで反応、財政拡大への思惑が支援か
[東京 28日 ロイター] - 28日の東京市場は日経平均が寄り付きこそ下落して始まったものの、まもなくプラス転換し、衆議院選挙の結果に買いで反応している。上げ幅は一時700円を超えた。与党が議席を減らし過半数割れとなったことを嫌気する動きが先行したが、政権維持に向けた財政拡大などの思惑が支援材料になっているとみられる。 一方、為替は円売りで反応。この円安基調も、株式市場では業績押し上げへの期待につながっている。
衆院選での与党の議席減は想定以上だったとして朝方には株安を予想する声も多く聞かれ、日経平均は売りが先行した。ところが短時間で切り返してプラスに転じ、一時700円超高に上値を伸ばした。
「2つの点で最悪のシナリオが回避されたことが大きい」と、東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは指摘する。
一つは衆院選での自民党の議席の減少度合いだ。市場の想定を超える議席の減少だったものの、自民が比較第一党から降りるといった、より厳しいシナリオが回避されたとの見方だ。
これによって、閣外協力するために財政出動を膨らませたり、減税する必要があるとの思惑から景気は良くなるとの読みが優勢になったとの見立てだ。閣外協力の動きが本格化するのはこれからで不透明感も付きまとうが、平川氏は「国民民主などが立憲民主を支持するとは想定しにくく、首班指名は石破茂首相になるだろう」とみている。自公が国民民主と連携することになれば、その意向をくまざるを得ないとの見方だ。
もう一つは、中東情勢を巡る最悪シナリオの回避だ。週末にはイスラエルによるイランへの報復攻撃があったが、石油施設でなく軍事施設にとどまった。時間外取引の米株先物はプラスとなっており、こちらも日本株の支援材料になっている。
為替が週末を挟んで一段の円安に振れたことも、輸出関連株を中心に株価の支援材料になっているとみられる。輸出株の代表格となるトヨタ自動車は3%超高に上昇している。
ドル/円は朝方に153円台に上昇し、その後153円後半に上値を伸ばしている。みずほ証券の?本雅?チーフ為替ストラテジストは、総選挙を経て「政策決定の遅延や困難さが想定され、日銀利上げの遅延リスクが高まっている」ことが要因とみている。
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