• 2024/10/25 掲載

米地裁、「マイケル・コース」の買収差し止め請求認める 計画頓挫も

ロイター

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Siddharth Cavale

[ニューヨーク 24日 ロイター] - ファッションブランドの「コーチ」や「ケイト・スペード」を保有する米タペストリーが「マイケル・コース」を展開する米カプリ・ホールディングスを85億ドルで買収する計画を巡り、ニューヨークの連邦地裁は24日、差し止めを求めていた連邦取引委員会(FTC)の訴えを認める判決を下した。

タペストリーの弁護団によると、連邦地裁は計画を再びFTCの審査にかけるよう命じている。両社の合意契約が切れる来年2月10日までには審査が終わらない見通しとなり、買収計画が頓挫する公算が大きい。

FTCは裁判で、両社の統合は米ハンドバッグ業界のし烈な競争を消滅させ、消費者にとって不当な価格に製品をつり上げる巨大企業が誕生することになると主張。

これに対してタペストリーとカプリの両社は、統合計画は米ハンドバッグ業界の激しい競争に背中を押されたものだと主張。市場シェアを拡大しているグッチなどの欧州勢に反撃する上で、必要な手段になると申し立てていた。

両社は、マイケル・コースのブランド力を回復し、タペストリーの相対的に大きな資源を全てのカプリのブランドに投じて、より多くのハンドバッグを売ることができれば業界の競争は低下せず、むしろ促進されると強調した。

しかし、連邦地裁のジェニファー・ロション判事は、両社はカプリが独力でブランドを再生できないと立証しておらず、統合計画は「手の届く高級な」ハンドバッグの競争面でメリットよりも弊害が大きいと説明した。

両社は「手の届く高級な」ハンドバッグの定義が業界で十分確立されていないと反論。だが、ロション氏は、両社が自前の文書でこの言い回しを頻繁に使っていると指摘した。

FTC競争担当部門トップのヘンリー・リュー氏は、連邦地裁の判決について「FTCだけではなく、手頃な価格で質の高いハンドバッグを買いたい全米の消費者にとっての勝利だ」とコメントした。

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