- 2024/10/24 掲載
超富裕層は美術品購入に慎重、23年の世界販売額は4%減=UBS
[ニューヨーク 24日 ロイター] - スイスの銀行UBSは24日、「アート・マーケット・リポート」の中で2023年の世界美術品販売額が4%減の約650億ドルだったと発表した。富裕層上位の買い手が購入を減らしたためだという。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ポール・ドノバン氏によると、インフレ、高金利、政治的不安定を背景に超富裕層の顧客は美術品購入に慎重になっている。
オークションでの販売量は7%減少し、ディーラーでの販売量は3%減少した。
美術品販売が伸びた唯一の国は中国で、取引額は9%増の122億ドルとなり、米国に次ぐ世界2位の美術品市場となった。ドノバン氏は中国人バイヤーによる活動活発化について、中国が欧米諸国よりもコロナ規制を長く敷いていたため、累積需要が遅れて発現したためと分析している。
また、高金利とインフレは、NFTとして知られるデジタルアートの販売など、最も投機的な美術品取引の崩壊につながったという。
NFT販売は21年の29億ドルがピークで、昨年はピークから51%減少した。ドノバン氏は、金利が低下し始め、暗号資産(仮想通貨)といった他の資産が上昇した今年になってもそれらは回復していないようだと述べた。
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