• 2024/10/21 掲載

IMF・世銀総会開幕へ、戦争や景気低迷が影 米大統領選を懸念

ロイター

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David Lawder

[ワシントン 21日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会が21日、ワシントンで開幕する。

中東・ウクライナの戦争や中国経済の低迷が世界経済に影を落とす中、来月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利すれば、貿易紛争が再発し、多国間の協力体制に悪影響が出るとの懸念も浮上している。

年次総会では世界経済の押し上げ、途上国の債務問題、グリーンエネルギー移行に向けた資金調達といった課題が議論される。

元IMF高官のジョシュ・リプスキー氏は「世界経済にとって最も重要な問題と言える米大統領選の結果は公式議題にはなっていないが、誰の頭にもある」と指摘。「通商政策、ドル相場、次の米連邦準備理事会(FRB)議長の人選に多大な影響を及ぼし、そうしたことが全て世界各国に影響する」と述べた。

米政府が中国の電気自動車(EV)や半導体などに対する関税を大幅に引き上げるなど、貿易・産業政策を巡る先進国の反中感情も大きな議題になるとみられている。

IMFは22日に世界経済の新たな成長予測を公表する。ゲオルギエワ専務理事は、世界経済の成長率が中期的に停滞し、貿易摩擦が激化すると同時に債務が高水準にとどまるとの厳しい見通しを示している。

途上国の債務問題を巡っては、世銀のバンガ総裁が、二国間やパリクラブ(債権国会議)の商業債権者が今以上に債務免除を提供する必要があると主張。

中東情勢については、ゲオルギエワ氏がロイターとのインタビューで「緊張がエスカレートすれば原油やガスの輸送がリスクにさらされ、世界経済にはるかに重大な影響を及ぼす恐れがある」と述べている。

対ウクライナ支援も大きな議題になる見通しだ。主要7カ国(G7)は、制裁で凍結されているロシア資産が生む利子を活用し、ウクライナに対し500億ドルの支援を行うことで大筋合意している。

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