- 2024/10/17 掲載
台湾TSMC、第3四半期純利益は54%増で過去最高 見通し強気
[台北 17日 ロイター] - 半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が17日発表した第3・四半期決算は、純利益が54%増の3253億台湾ドル(101億1000万米ドル)と、市場予想を上回り、過去最高を記録した。人工知能(AI)向け半導体の需要が引き続き拡大した。
LSEGスマートエスティメートが集計した市場予想は3002億台湾ドルだった。
売上高は36%増の235億ドルと、従来の自社見通しの224億─232億ドルを上回った。
同社が先週発表した台湾ドル建ての売上高は7596億9000万台湾ドルだった。
第3・四半期の設備投資は64億ドルで、前期の63億6000万ドルから小幅に増えた。
ウェンデル・ファン最高財務責任者(CFO)は「第3・四半期の当社の事業は、業界をリードする当社の3nmおよび5nm技術に対するスマートフォンやAI関連の旺盛な需要に支えられた」と説明。「第4・四半期も、最先端プロセス技術に対する力強い需要に支えられ続けると期待している」と述べた。
<強気見通し>
TSMCは、事業の力強い成長が持続するとの見通しを示した。
第4・四半期の設備投資は倍以上の約115億ドルになり、自社製品に対する健全な需要が見込まれることから、来年はさらに増加する可能性が高いとした。
また、2024年の売上高は米ドルベースで30%近く増加すると見込んだ。従来は20%台半ばよりもやや高い増収率を予想していた。
AIプロセッサーの売上高は、今年の売上高全体の10%台半ば程度を占めるとの見通しを示した。
会長兼最高経営責任者(CEO)の魏哲家氏は、AIについて「需要は本物だ」とし、これから何年も続くだろうと述べた。
今年の設備投資については、300億ドルを若干上回る見込みとした。従来予想は300億─320億ドルだった。
25年の設備投資は今年を上回る見通しとしたが、具体的な数字は示さなかった。
来年は「健全な」年になりそうだとし、今後5年間に関しても同様の見通しを示した。
復華投信のファンドマネジャー、Piter Yang氏は、オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLによる業績予想下方修正が引き起こした業界への懸念を払しょくするものだったと指摘。「TSMCは支配的な企業。インテルやサムスンなどの企業にはない、先端プロセス技術を持つ唯一の会社だ」と語った。
TSMCは、米アリゾナ州の3工場に650億ドルを投じるなど、海外に多額の資金を投じて新工場を建設している。
第4・四半期の売上高は261億─269億ドルと予想。前年同期の196億2000万ドルから増加すると見込んだ。
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