- 2024/10/17 掲載
ドイツ首相、工業活性化に向けた会議開催を表明
エネルギー価格の高騰、世界的な需要低迷、温室効果ガス排出量の実質ゼロに向けた移行、中国との競争激化によって輸出主導型工業のドイツ経済は岐路に立たされている。このため、企業トップらは政府による支援拡充を切望している。
大手自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)が同社として初めてドイツ国内の工場閉鎖を検討していると9月に発表したことで、ドイツが工業国の基盤を失うのではないかとの懸念が高まった。
ショルツ首相は「私たちは特にここ、ドイツの産業のために戦わなければならない」とし、「ドイツは工業国だ」と訴えた。
その上で、重要な問題の1つはいかにして安価なエネルギーを確保するかだと指摘した。
ドイツは昨年、全ての製造業を対象に電力税を欧州連合(EU)法で認められている下限まで引き下げることで合意した。また、国際的な競争力を持ち、国外移転のリスクが最も高い350社への補助金を引き上げ、5年間延長することでも合意した。ショルツ氏は、それでも今までに十分な企業がこのような措置の恩恵を受けていないと言及した。
一方、EUが自由貿易協定(FTA)の締結に乗り出すことが必要だとし、個々の国の気まぐれに翻弄されないことを確実にしなければならないとも強調。ショルツ氏は「貿易協定がこれ以上合意されなくてもいいと言って、通商政策の権限を欧州(EU)に渡したわけではない」と訴えた。
また、EUが中国製電気自動車(EV)に追加の輸入関税を課す決定を下したことを批判し、他の17カ国は懐疑的であり、自身が話した全ての自動車メーカー幹部も懐疑的だったとして「私は中国とEUの間で合意することを要求している」と語った。
ショルツ氏は、ドイツが工業以外の分野も育成するための方法を議論する必要があるとして「アップル、マイクロソフト、アマゾン(・ドット・コム)、メタ、オープンAIはいずれも欧州企業でも、ドイツ企業でもない」と指摘した。
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