- 2024/10/16 掲載
世銀総裁、トランプ氏は国際金融機関の価値を理解と主張=インタビュー
[ワシントン 15日 ロイター] - 世界銀行のバンガ総裁は15日のロイターネクストニュースメーカーのインタビューで、11月の米大統領選の共和党候補トランプ前大統領は国際金融機関の価値を理解しており、融資が米国企業の外国市場拡大につながることを認識しているとの見方を示した。
トランプ氏は多国間機関や、それらの気候変動への取り組みをたびたび批判してきた。一方、トランプ氏支持者ら保守派グループがトランプ氏再選に備えてまとめた政策提言「プロジェクト2025」の支持者らは世銀や国際通貨基金(IMF)から米国が脱退すべきだと主張してきた。
一方でトランプ氏はプロジェクト2025から距離を置いている。
バンガ氏は、世銀の主要融資部門である国際復興開発銀行(IBRD)の増資を「実際に認可したのは(大統領在任中の)トランプ氏だった」とし、「結局、彼はその価値を理解している。政権の政策として成し遂げようとしていることに合致するのであれば」との見解を表明した。
トランプ政権は2018年4月に世銀の130億ドルの増資を支持した。これで中国の出資割合と投票権比率が上昇したものの、中国などの中所得国の借り入れコストが上昇する融資改革を伴った。
<新市場開拓>
バンガ氏は、政府の1ドルの資金を4倍にも、10倍にもして、米国などの国際企業の新市場開拓に役立つ開発融資を手がけることができる機関が他にほとんどないことをトランプ氏は知っているとして「彼は1ドルによってより大きな価値をもたらすレバレッジの力を理解している」と主張した。
その上で「結局、外国で適切な開発をすることで米企業の市場開拓に貢献できれば素晴らしいことだ。欧州企業や、インド企業が利益を得ることを確実にできるような手助けができれば、それは望むようなつながりを生むので良いことだ」と語った。
バンガ氏は、借款国で雇用を創出する世銀の活動は、将来の移民や難民を生み出す危機を防ぐことにも役立つとして「銀行として私たちが世界のさまざまな地域で開発の大義に応えられるようにする方法を見つけることは、ある政権やその他の政権を超越するものだと思う」と力説した。
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