- 2024/10/16 掲載
資産運用業界、中国株に値ごろ感=米公的年金の元投資責任者
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 世界的な資産運用担当者は、一部の中国株に値ごろ感があるとみなしているが、米大統領選を巡る不確実性を理由に買い出動は控えている――。米大手公的年金カリフォルニア州教職員退職年金基金(カルスターズ)の最高投資責任者を6月末に退任したクリストファー・エイルマン氏はこうした見方を示した。
エイルマン氏は先週、有力投資家グループ「300クラブ」の定期会合で進行役を務め、そこで中国が話題の中心になったと明かした。
300クラブにはフランス資産運用大手アムンディや、カナダ年金制度投資委員会などの国際的な機関投資家が加入している。
エイルマン氏によると、この会合の目的はイスラエルとイランの対立激化に伴うリスクをつまびらかにすることだったが、イラン産石油の大半を中国が消費しているという事実を参加者が認識すると、議論の風向きが急に変わったという。
同氏は「投資家として地政学リスクについて考える際に、真っ先に思い浮かぶのは中国だ。ほぼ全ての事象は結局中国と関連付けられる」と述べた。
会合参加者の間では、特定の中国株はチャート上とファンダメンタルズの双方で妙味があるように見えるとの意見で一致したが、誰からも中国への投資拡大の意思は示されなかった。
同氏は「米大統領選前に(中国への投資を)急ぎたい投資家はいない」と語り、これまでに米中の政治的緊張関係や中国の景気減速を踏まえて多くの資産運用担当者が中国投資を圧縮するかゼロにしており、特に米国とカナダのファンドは今のところ中国投資に関して「腰が引けている」と指摘した。
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