- 2024/10/13 掲載
情報BOX:中国、景気底上げへ積極財政出動 財政相会見要旨
9月下旬から中国人民銀行(中央銀行)をはじめとする当局がさまざまな景気刺激策を発表している。
藍財政相は諸施策の具体的な規模は示さなかったが、「中国にはまだ債務を発行する余地が十分ある」と述べた。
政府は、今年の財政赤字目標を国内総生産(GDP)比3%に設定し、昨年の3.8%から圧縮する方針だ。ただ今年予定する超長期特別国債の1兆元発行は予算に含まれていない。地方政府の今年の特別債発行枠は3兆9000億元。(昨年は3兆8000億元)。
会見内容を以下にまとめた。
<地方債務問題>
地方政府の隠れた債務リスク対策への支援を強化。地方政府の経済支援能力を底上げする。既存の隠れ債務の処理に、今年、1兆2000億元(1698億1000万ドル)の地方債発行枠を設定している。
債務問題への対応として、引き続き債券発行枠を活用するとともに、ここ数年で「最大の」政策措置として、大規模な債務交換プログラムを計画している。詳細は、必要な法的手続きの完了後に発表する。
<国有銀行の資本増強>
不動産市場の支援と大手国有銀行の資本増強に向け、地方債の利用を拡大する。特別債の発行し、大手国有商業銀行のTier1と呼ばれる中核的な自己資本の強化に充て、リスクへの耐性を高め、実体経済への信用供与能力を向上させる。
<不動産市場支援>
地方政府が特別債を活用して未利用地を購入することを認める。地方政府の土地供給管理能力を高め、地方政府と不動産開発業者の流動性・債務問題の是正につなげる。
売れ残ったり、プロジェクトがとん挫した住宅を買い取り、手頃な価格の住宅に転用する事業への資金支援を継続する。
居住用不動産に連動する付加価値税に関する政策を研究中。不動産市場支援に向け、その他の税制措置も検討している。
<低所得世帯・学生向け支援>
消費促進に向け、低所得世帯と学生への支援を強化する。学部生を対象とした国の奨学金支給を年間6万人から12万人に倍増し、1人当たりあたり奨学金を年間8000元から1万元に引き上げる。
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